2021 Fiscal Year Research-status Report
膜タンパク陽性エクソソームによる肉腫の超早期診断法の開発と、膜タンパクの機能解析
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21K09318
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
渡邉 裕美子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (50893830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松峯 昭彦 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00335118)
田中 太晶 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (00796245)
出淵 雄哉 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (20795041)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 膜タンパクA / エクソソーム膜 / 膜タンパクA陽性エクソソーム / 肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス骨肉腫高肺転移株LM8とその親株であるDann骨肉腫細胞株(低肺転移株)の培養上清よりエクソソームをペレットダウン法で回収し、mass spectrometerを用いてプロテオーム解析を行い、さらに細胞株のcDNAマイクロアレイデーター、Pathway解析を参考にして10種類のタンパクを肺転移関連エクソソーム膜タンパクXsとして同定した。現在、分子量約64kDaの膜タンパクAを中心に解析を行っており、多くの肉腫細胞株や癌細胞株で高発現していることや、免疫組織学的染色により肉腫の80%で高発現していることを確認した。nativeな膜タンパクAを検出できる新規マウスモノクローナル抗体をDNA免疫法で作成、CD9/膜タンパクAエクソソームELISA kitを独自に構築することに成功した。肉腫患者35例と、コントロール群15例(良性腫瘍患者8例、非腫瘍性運動器疾患患者7例)の血清膜タンパクA陽性エクソソーム量を測定し、現在、結果を解析中である。肉腫別や患者背景による膜タンパクA陽性エクソソーム量を統計解析し、イムノアッセイ法の確立を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
nativeな膜タンパクAを検出できる新規マウスモノクローナル抗体をDNA免疫法で作成、CD9/膜タンパクAエクソソームELISA kitを独自に構築することに成功した。肉腫患者や良性腫瘍患者は、生検時や手術時には必ず腫瘍組織と、血液を採取しており、比較検討するには十分な検体を保持している。膜タンパクAエクソソーム量を測定するkitの作成に成功したため、今後は肉腫、良性腫瘍に加え、非腫瘍性運動器疾患、健常者の血清も採取し、Kitで測定し解析することで、イムノアッセイ法を確立することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
肉腫患者、良性腫瘍患者、非腫瘍運動器疾患の腫瘍組織、血清を引き続き収集し、CD9/膜タンパクAエクソソームELISA kitで測定し、解析する母数を増やしていく。膜タンパクAの生物学的機能を解析をすすめる。血清膜タンパクA陽性エクソソームが分泌されていた患者の肉腫の種類や、腫瘍組織での染色性、患者背景などを合わせて統計解析をすすめる。膜タンパクAの強制発現や、shRNAでのノックダウンによる造腫瘍性・転移能の変化などをin vitro, in vivoで観察し、肉腫細胞における膜タンパクAの機能解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
補助事業の誠実な執行に努めた結果、当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。 当該未使用額を次年度に持ち越して追加の試薬・抗体・消耗品等購入する。
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