2021 Fiscal Year Research-status Report
stem cell mobilization現象を利用した半月板修復再生技術開発
Project/Area Number |
21K09330
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 祐介 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10382178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 康博 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40548567)
折田 久美 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40748597)
佐伯 壮一 名城大学, 理工学部, 教授 (50335767)
箕田 行秀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90453133)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | stem cell mobilization / 骨髄液 / 半月板再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝半月板損傷はその後の自然修復が期待できないため、放置すると関節機能が破綻し、著しいADL低下をもたらす。本邦では半月板縫合術が関節機能温存のための唯一の治療となるが半月板組織の修復に限界があるため、骨髄から損傷部位に幹細胞を集積させる「stem cell mobilization」技術を半月板修復に応用し、治癒困難な半月板損傷を治癒させうる手法として確立することが目的である。初年度では、骨髄液に半月板治癒能力があるかどうかを確認するために、骨髄液注入腱を用いた半月板再建術を施行し、その有効性を確認した。 ラビットの内側半月板を全切除し、半腱様筋腱に骨髄液を注入した自家腱半月板再建モデルを作製した。術後4週、12週、24週時に犠牲死、半月板を採取し、組織切片の組織学的解析を行った。また、大腿骨、脛骨の関節軟骨を採取し、軟骨保護作用として組織学的解析を行った。再建半月板の被覆率、および再建半月板の組織学的評価では術後12週、24週時に骨髄液群で有意に高かった。また、骨髄液群において、safranin O染色、免疫染色(2型コラーゲン)の染色性が強かった。軟骨の組織学的評価において大腿骨側において切除群と比較し、再建群、骨髄液群で有意に低く、脛骨側においては、骨髄液群で有意に低く、軟骨保護作用が見られたと推察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は骨髄からの薬剤による細胞導入研究の前に骨髄液そのものを半月板再建に用いることで、骨髄液による半月板への応用を検討したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行った骨髄液そのものが半月板再建術に有用である可能性が示されたため、骨髄内の要素が半月板修復に有利に働くことが考えられた。よって来年度に骨髄内の細胞を半月板損傷部位に誘導するような薬剤を用いることで、半月板修復への応用を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は骨髄からの細胞誘導させるための薬剤などの購入がなかったために次年度使用額が生じた。
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