2021 Fiscal Year Research-status Report
Integrative proteomic analysis of PDX models to develop targeted therapies for sarcoma
Project/Area Number |
21K09337
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
濱田 俊介 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (90747289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 和貴 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 研究員 (00728412)
今釜 史郎 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40467288)
田口 歩 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 分野長 (50817567)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨軟部肉腫 / PDXモデル / プロテオミクス / 細胞表面タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少がんである骨軟部肉腫の大部分を占める、脂肪肉腫、未分化多形肉腫,平滑筋肉腫,滑膜肉腫などの非円形細胞肉腫においては、化学療法あるいは放射線療法に対する感受性は低い。近年、トラベクテジン、エリブリン、さらに分子標的治療薬であるパゾパニブなどが開発されているものの、その効果は限定的であり、分子生物学的な知見に基づく新たな骨軟部肉腫治療法の開発は、喫緊かつ最重要の課題である。そこで、本研究では、プロテオミクスを用いた革新的なアプローチによって、骨軟部肉腫の克服に取り組む。細胞表面タンパク質は、がんにおいて機能的に重要な役割を果たしているだけでなく、その局在から、直接的な治療標的としても非常に有望である。細胞表面タンパク質は細胞内タンパク質に比べて極めて微量であることから、本研究では骨軟部肉腫患者から外科手術によって採取された腫瘍検体を用いて患者腫瘍組織移植(patient-derived xenograft; PDX)モデルを作成し、PDX腫瘍を用いて細胞内タンパク質(サーフェスオーム)解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。 本年度は、PDXモデルの作成を中心に研究を行った。現在までに骨軟部肉腫8症例についてPDXモデルを作成した。このうち5症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(PDC)を樹立した。高度免疫不全モデルであるRag-2/Jak3二重欠損マウスを用いたPDXモデルの作成効率は、27.6%で既報(約30%)と同程度であった。現在各PDX腫瘍のエクソーム解析、RNAシーケンス解析を行っており、またプロテオーム解析の準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに骨軟部肉腫8症例(滑膜肉腫1例、平滑筋肉腫1例、未分化多型肉腫3例、繊維肉腫2例、横紋筋肉腫1例)についてPDXモデルを作成し、このうち5症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(PDC)を樹立できた。PDXモデルの作成ペースはほぼ予定通りである。またプロテオーム解析については、コロナ禍により、解析予定に遅れが生じたためエクソーム解析、RNAシーケンス解析を先行した。今年度はプロテオーム解析を集中的に進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
PDXモデルの作成を継続する。RNAシーケンス解析から同定した新規治療標的分子の機能解析と並行して、プロテオーム解析を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、プロテオーム解析計画にずれが生じたため、次年度使用額が生じた。解析計画を修正し、今年度使用する予定である。
|