2021 Fiscal Year Research-status Report
前立腺細菌叢に着目した前立腺肥大症発症メカニズムの解明と個別化医療への応用
Project/Area Number |
21K09344
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹澤 健太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90648015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 昌一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20216063)
福原 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20609870)
小山 佳久 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40397667)
木内 寛 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70403053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では前立腺細菌叢と前立腺肥大症の関連を明らかにし、前立腺肥大症の発症メカニズムの解明と個別化医療への応用を目指している。予備実験において、FISH法を用いることでヒトの前立腺腺管内に多数の細菌が存在することを見出した。また前立腺マッサージ液の16S rRNAメタゲノム解析により、前立腺マッサージ液中の細菌叢がBPH患者と健常者で異なることも見出した。以上から前立腺細菌叢が前立腺肥大症に何らかの影響を有しているのではないかと考えるに至った。 そこでまず、前立腺マッサージ液の細菌叢が前立腺組織の細菌叢を反映すると考え、両者を比較検討した。しかし、前立腺マッサージ液と前立腺組織の細菌叢は構成が異なることが分かった。この結果から、本研究ではもともと前立腺マッサージ液の細菌叢を前立腺細菌叢として評価する予定であったが、前立腺細菌叢の評価は前立腺組織の細菌叢で行うべきであると考えた。 そこで次に、前立腺組織の細菌叢と前立腺腫大の関連について検討を行った。その結果、前立腺腫大群ではコントロール群と比較し前立腺細菌叢の多様性が低下していることが分かった。以上の結果から、前立腺細菌叢の多様性の低下が何らかの機序で前立腺の腫大に寄与しているのではないかと考えた。 現在、前立腺細菌叢の多様性の低下によって前立腺が腫大するメカニズムを明らかにするために、前立腺細菌叢の正確な局在を評価する手法について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階では、前立腺細菌叢は前立腺マッサージ液の細菌叢で評価できると考えていた。しかし、前立腺細菌叢と前立腺マッサージ液細菌叢を比較した結果、両者が異なることが明らかとなった。このため、前立腺細菌叢は前立腺組織の細菌叢で評価するべきであると考え、評価方法を変更することとなった。前立腺組織は前立腺マッサージ液と比べるとサンプル採取の機会が限られることから、研究進捗が当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず前立腺細菌叢の局在の評価方法について確立する。続いて、細菌叢の解析で明らかとなった多様性の減少した細菌叢が前立腺腫大に与える影響について、前立腺組織の遺伝子発現変化などを詳細に検討することで明らかにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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