2021 Fiscal Year Research-status Report
DNA損傷応答に着目した機能喪失スクリーニングによる前立腺癌の新規治療法の開発
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21K09345
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石津谷 祐 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00783854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 元秀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40631015)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / DNA損傷応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
3種類の前立腺癌細胞株(22Rv1, DU145, LNCaP)を用いて予備的に行ったゲノムワイド機能喪失スクリーニングの結果、機能喪失によりPARP阻害剤に対する感受性が増強する遺伝子の候補として、False Discovery Rate < 0.1を満たすものは延べ9種類の遺伝子、False Discovery Rate < 0.2を満たすものは述べ15種類の遺伝子であった。これら15遺伝子を独自のスクリーニングにより得られた候補候補として選定した。また、これとは別にDNA損傷応答に関連すると報告されているものの、PARPとの合成致死性は確認されていない遺伝子も候補遺伝子としてライブラリーに加えることとした。公共データベース上、前立腺癌組織において1%以上の頻度で変異など機能不全がみられるもの、あるいはdruggableであるものを、臨床応用につながる可能性が高い遺伝子の候補として20種類選定した。 候補遺伝子のみを対象とした新たなスクリーニングを実施する前に、予備的に行ったスクリーニングで得た候補遺伝子の中で、DNA損傷応答への関連が報告されていない一部の遺伝子については、個別にノックアウトしてPARP阻害剤に対する感受性が増強するか確認することとした。その結果、スクリーニングの結果通りにPARP阻害剤に対する感受性が増強しない遺伝子が見られ、複数のsgRNAを用いても同様の結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スクリーニングで得られた候補遺伝子のうち一部を前立腺癌細胞株で個別にノックアウトしてものの、スクリーニングの結果の検証が得られず、その原因究明の検討に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
生体モデルを用いた実験に移行する前に、前立腺癌細胞株を用いて候補遺伝子とPARPの合成致死性を検証する。ゲノムワイドスクリーニングにより得られた候補遺伝子の数が比較的少数であったため、遺伝子群を絞った2ndスクリーニングに固執せず、個別にノックアウトして検証することも考慮する。
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Causes of Carryover |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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