2021 Fiscal Year Research-status Report
非翻訳RNAに着目したCNI腎症早期発見システムの構築
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21K09360
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
畔柳 佳幸 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30800031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 研太 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10508881)
小林 孝彰 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70314010)
三輪 祐子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90572941)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CNI腎症 / 非翻訳性 RNA / 腎移植 / ncRNAプロファイリング |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫抑制薬であるカルシニューリン阻害薬(CNI)は腎移植患者の術後管理においてキードラッグである。体内動態の個体内・個体間変動が大きいため血中濃度を測定し、投与量の増減する必要があり、使用量と副作用の出現頻度には個体差が存在する。CNI使用における重大な副作用として本剤の使用により腎機能障害を引き起こすCNI腎症が存在し、移植腎の長期生着の大きな障害の一つとされている。CNI腎症は腎生検でのみ可能であるため、非侵襲的なバイオマーカーを用いた診断の実現が重要な課題である。 CNI腎症の根本的な原因は腎血流低下(輸入細動脈の収縮)によるものとされているが、組織学的変化に至るまでの機序の詳細はまだ明らかにされていない部分も多く、間質尿細管病変や細動脈、糸球体病変など多彩な病理組織像をとることが特徴である。そのためCNI腎症の診断には専門性の高い腎病理医の診断を必要とする。今回の研究の最初の段階としてCNI腎症に対する腎組織の評価の画一化を図るため熟練した1人の病理医による診断によるCNI腎症患者の抽出を行い、腎移植1年後のプロトコール腎生検でCNI腎症と確診された患者のデータベースを構築した。 現在同一患者のプロトコール腎生検を用いて組織像の確認が可能である、2つの時期①長期CNI使用の影響の少ない時期(腎移植術後3週間後)と②CNI腎症と診断された1年後のプロトコール腎生検と同時期に採取され保存されている血液検体を試料として次世代シークエンサーを用いCNI長期使用前後の非翻訳RNA(ncRNA)の変化を比較し、ncRNAプロファイリング構築を試み解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は他施設との共同研究であるため、新型コロナウイルスの対応に追われる状況により、連携が困難であったことや試料の入手に時間を要したことから研究に遅延を生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
試料の解析をすすめ、CNI腎症におけるマイクロRNAのプロファイリングを構築し、バイオマーカーとして使用するための基礎を構築するとともにキードラックとしてCNIを使用するネフローゼ症候群等のその他の疾患に応用が可能か検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延の状況により、研究に遅れが生じたため。
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