2021 Fiscal Year Research-status Report
泌尿器癌における全血RNAを用いた免疫細胞の多様性の理解と治療効果予測への応用
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21K09365
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小島 崇宏 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍制御学分野, 研究員 (40626892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神鳥 周也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50707825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
全血トランスクリプトーム解析に使用する検体の収集とRNA抽出を行った。当初の予定の腎癌イピリムマブ+ニボルマブ 30例、腎癌ニボルマブ 40例、尿路上皮癌ペムブロリツマブ 30例の計100例のRNAを抽出することができた。 今後のDry解析の準備を中心におこなった。すでに解析が済んでいた腎癌患者19例の全血RNAを用いてRNAシークエンスによる解析データを用いた主成分分析により、治療奏効性と発現パターンとの関連を検討したところ、奏効症例が一定の領域に集まっていることが明らかとなった。教師なし学習のクラスタリングにおいては3つのClusterに分類され、Cluster 1では全例が進行、Cluster 3では57%が進行と進行例が多く認められた。一方、Cluster 2は89%が奏効例であり、全血の遺伝子発現パターンが治療効果と関連する可能性が示唆された。 奏功例、非奏功例における発現変動遺伝子(DEG)を抽出し、Ingenuity Pathway Analysisによるパスウェイ解析を行った。iNOSシグナルの活性が非奏功例でみとめられ、免疫抑制性に働く好中球である腫瘍関連好中球(tumor-associated neutrophil; TAN)の活性が示唆される結果であった。 すでに有している遺伝子発現値を基に、CIBERSORTxにより22種類の免疫細胞を規定する遺伝子のシグネチャーを用いて各免疫細胞の構成比率を算出した。検体ごとに様々な比率でこれら22種類の免疫細胞が含まれている結果を得ることができた。予備解析のデータおよび公共データベースであるGene Expression Omnibusより血液シングルセルRNA-seqデータを入手し、各血液細胞における特異的な遺伝子発現プロファイルを作成した。CIBERTSORTxを用いてシングルセル解析に準じた細胞構成のクラスタリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスクリプト―ム解析はまだ行っていないが、検体の準備とDry解析の手法が確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度に準備したRNA検体を用いて、順次トランスクリプト―ム解析とDry解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は収集した検体のRNA抽出のみを行い、トランスクリプトーム解析は次年度に行う予定とした。Dry解析では、すでに所有していたデータおよび公共データベースのデータを用いた解析を行っていたために、費用が発生しなかった。
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