2022 Fiscal Year Research-status Report
泌尿器癌における全血RNAを用いた免疫細胞の多様性の理解と治療効果予測への応用
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21K09365
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小島 崇宏 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍制御学分野, 研究員 (40626892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神鳥 周也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50707825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度のRNAシークエンスが完了していた腎癌患者19例の予備解析に引き続き、今年度はさらに30例の腎癌患者の全血RNAシークエンスを行い、合計49例で追加解析を行った。イピリムマブ+ニボルマブ群は19例、ニボルマブ群は14例であった。奏効性における最大の差を明らかにするために、RECISTのSD症例を除いた合計33例のトレーニングコホートで、奏効群(CR+PR)と非奏効群(PD)とで発現変動遺伝子(DEG)解析を行った。抽出された460個の免疫応答経路に関連するDEGを用いて教師なし階層型クラスタリングを行った結果、奏効率が大きく異なる2つのクラスター形成を認めた。最短収縮重心法を用い、460個のDEGから14個の最小遺伝子セットを作成したところ、感度94.7%、特異度50.0%で奏効群を分類することが可能であった。最後に、DEG解析から除外したSD患者16例を追加した合計49例のバリデーションコホートで、14遺伝子セットのパフォーマンスを評価した結果、階層型クラスタリングよりも統計学的堅牢性が高いコンセンサスクラスタリングにて、奏効率が95.8% vs. 48.0%と顕著に異なるクラスター形成が再現性をもって可能であることを明らかとした。以上の結果より、免疫チェックポイント阻害剤で治療された腎癌患者の全血遺伝子発現プロファイルは奏効性によって明瞭に異なり、免疫応答経路に関連するDEGを用いたクラスタリングにより奏効群を正確に分類できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体数がまだ限られているが、本手法による効果予測が可能なことを論文化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の解析ではバリデーションコホートが一部トレーニングコホートの症例と重複していたため、次回はさらに症例数を増やし、独立コホートで今回見出した最小遺伝子セットを用いて奏効群が予測できるか検討を行う。さらに、イピリムマブ+ニボルマブ群、ニボルマブ群それぞれにおいても同様に解析・検討を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の解析ではバリデーションコホートが一部トレーニングコホートの症例と重複していたため、症例数が予定より少なくなったために、次年度使用額が生じた。次年度ではさらに症例数を増やし、独立コホートで今回見出した最小遺伝子セットを用いて奏効群が予測できるか検討を行う。さらに、イピリムマブ+ニボルマブ群、ニボルマブ群それぞれにおいても同様に解析・検討を行う。
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