2021 Fiscal Year Research-status Report
ABO血液型不適合腎移植における糖鎖アレイを用いた新規血液型抗体測定法の臨床応用
Project/Area Number |
21K09369
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田崎 正行 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40571906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 和英 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20262438)
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
牛木 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80579152)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ABO不適合腎移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
ABO血液型不適合腎移植は免疫学の常識を覆し、高い成功率と長期移植腎生着が可能となり、わが国における生体腎移植の30%を占め、慢性腎不全の治療に多大な貢献をしている。しかし、未だに制御不能の抗体関連型拒絶反応により、移植後早期に移植腎を摘出せざるを得ない症例があり、この問題を解決することが急務であった。これまで、われわれはABO血液型不適合腎移植後の抗体関連型拒絶反応を予測する新しい検査法の開発に努めてきた。 本研究の目的は、『われわれが開発した腎特異的ABO糖タンパクアレイを用いて、ABO血液型不適合腎移植前に抗体関連型拒絶反応発症の高リスク患者を識別することが可能であるかを検証し、実臨床へ応用をめざす』ことである。 これまで、腎血管内皮細胞上のABO抗原が結合する中心的なCD31をリコンビナントで作成し、ABO糖鎖抗原を遺伝子導入して発現させ、アレイとして固相化したものを新規抗ABO抗体測定法として報告した。これは、従来の赤血球を用いた抗ABO抗体測定結果よりも、正確にABO不適合腎移植後の抗体関連型拒絶反応を予測できる結果だった。しかし、より多くの検体を解析し、実臨床で応用可能かを追求する必要がある。 本研究は、多施設共同研究としていかにサンプルを収集するかが重要である。新潟大学以外に14施設の病院に協力を依頼し、倫理委員会で承認を受け各施設で研究開始のための施設承認をしていただいた。施設ごとに研究開始の処理をしていただける時間がまちまちであり、完了までに時間を要した。 検体採取用のチューブとフリーズボックスを当大学で準備し、各施設に送付し、検体収集を開始していただいている。また、これまで開発したCD31-ABOアレイの検量線を設定するために抗体を購入し検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査が昨年改訂され、多機関共同研究(多施設共同研究)における倫理委員会の審査を研究代表機関が一括して行えることになったため、その改定を待って倫理委員会の承認を得た。また、各研究協力機関における研究開始の承認が、同改訂により遅延したこともあり、研究開始が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
各研究協力機関により検体を収集することさえできれば、本研究における抗ABO抗体の測定は、これまで行ってきた解析方法であるため、それほど時間がかからないと思われる。
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Causes of Carryover |
初年度の研究計画進行が遅れたため。 次年度に使用する予定です。
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