2021 Fiscal Year Research-status Report
伸長精子細胞-Sertoli細胞間接着因子に着目した精巣内精子同定法の開発
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21K09375
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
阪野 里花 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20600753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 知樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30814256)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
野崎 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50813432)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
岩月 正一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70595397)
梅本 幸裕 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80381812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非閉塞性無精子症 / Micro-TESE / apical ES / 蛍光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
非閉塞性無精子症の標準治療は顕微教下精巣内精子採取術(Micro-TESE)である。Micro-TESEでは精子を含むと考えられる、太く蛇行した精細管を採取する。しかし、精子採取率は30~60%と低い。そこで私たちは、以下に示す方法で精子を含む精細管を同定することを試みる。 私たちは、精細胞の最終段階である伸長精子細胞とSertoli細胞の間にのみ存在する apical ectoplasmic specialization(apical ES)と言われる接着因子に着目した。Apical ESが観察される精細管には、伸長精子細胞以降の分化段階の精細胞が含まれると考えられる。Apical ESはF-actinと数十種類のタンパクが連結した接着複合体である。これらのapical ESを構成するタンパクを蛍光標識し、固定や薄切をすることなく蛍光顕微鏡で観察することを計画した。 研究を開始するにあたって、成獣ラットのapical ESのF-actinを蛍光標識し、蛍光顕微鏡で観察できるかどうかを検証した。ラット生体のapical ESを蛍光標識するためには、蛍光標識剤が生体組織を透過する必要があった。そこで細胞膜透過性を有したF-actinの蛍光標識剤であるSiR-actinを精巣間質に注入し、蛍光顕微鏡で精細管を観察した。その結果、apical ESのF-actinを観察することができた。ただし蛍光標識剤がもたらす細胞毒性を考慮すると、F-actinはすべての細胞に発現する蛋白であり、本研究における蛍光標識のターゲットには適していないと考えている。今後はヒトapical ESを構成する蛋白の同定を行なって、蛍光標識のターゲットを検討し、ターゲットを効率よく蛍光標識できる方法を開発していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
精細管の蛍光標識と蛍光顕微鏡による観察が実現可能かどうかを確認する必要があり、その研究に時間を要した。そのため、研究計画調書に示した①ヒトapical ESの解明、②精子形成障害モデルラットの作成、③精子形成障害モデルにおけるapical ESタンパクの発現局在の解析等の研究に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書に示した通りに研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
精細胞の最終段階である伸長精子細胞とSertoli細胞の間にのみ存在する接着因子(apical ectoplasmic specialization)を蛍光標識し、多光子顕微鏡で観察することを試みるという研究である。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際・国内学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。究① ヒトapical ESの解明 研究② 精子形成障害モデルの作成 研究③ 精子形成障害モデルにおけるapical ESタンパクの発現局在の解析 研究④ Apical ESタンパクに対する蛍光標識抗体の作成を行って行く。
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