2021 Fiscal Year Research-status Report
In vivo regenerative treatment of interstitial cystitis by direct reprogramming
Project/Area Number |
21K09377
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井上 裕太 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20898499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
浮村 理 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70275220)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング / 間質性膀胱炎 / 再生医療 / 尿路上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮細胞は膀胱の粘膜を構成し、感染防御や排尿・蓄尿に寄与しており、正常な膀胱機能の維持に欠かせない細胞である。間質性膀胱炎は尿路上皮細胞の欠損や機能が失われることで、痛みや頻尿などの症状が生じる疾患であり、現在のところ有効な治療法がない指定難病である。 我々は近年線維芽細胞にFOXA1, TP63, MYCL, KLF4の4遺伝子 (FTLK遺伝子) を導入すると、尿路上皮細胞に変えられる(ダイレクト・リプログラミング)ことを見出した。本研究の目的は、尿路上皮細胞が欠損している間質性膀胱炎モデルマウスを作成し、膀胱の線維芽細胞に遺伝子を直接導入し、体内で尿路上皮細胞に変える方法(in vivo reprogramming)を用いた治療モデル実験を行い、膀胱機能の改善を検証するとともに、将来的な間質性膀胱炎の根本的治療の開発につなげることを目標とする。 本年度はH2O2の膀胱内注入による間質性膀胱炎モデルマウスを作成し、1回排尿量の減少、排尿間隔の短縮を確認した。また、モデルマウスの膀胱組織を取り出し、HE染色を行い、尿路上皮細胞の剥離を確認した。現在マウス膀胱へウイルスベクターの導入方法について検討しており、ウイルスベクターの種類(レトロウイルスやレンチウイルス)、ウイルスの濃度、注入方法を変えて実験を行ったところ、膀胱の一部はGFPの蛍光を確認することができた。しかしながら漿膜層への感染であり、目的の粘膜下層の線維芽細胞への遺伝子導入が困難であったため、注入方法の検討が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
間質性膀胱炎モデルマウス作成を行い、1回排尿量の減少や排尿間隔の短縮を認めたが、マウス膀胱の粘膜下層への遺伝子導入方法が確立していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス膀胱へウイルスベクターの導入方法について検討する。具体的には各種ウイルスベクター、ウイルスの濃度、注入方法などの検討を行い、マウス膀胱の粘膜下層の線維芽細胞への遺伝子導入方法を確立させる。
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Causes of Carryover |
研究の進行状況に応じて必要となる機器に係る使用額が、当初の計画に比べ少額で済んだため。 [翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画] 申請時の使用計画に従い、実験用試薬・消耗品及び旅費・論文投稿料・学会参加費等に使用する予定である。
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