Exploration of novel fusion gene of prostate cancer in Japan

2023 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21K09383
• Research Institution: Jikei University School of Medicine
• Principal Investigator: 木村 高弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00307430)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 前立腺癌 / 融合遺伝子

Outline of Annual Research Achievements

当科で前立腺癌患者の転移組織より樹立した内分泌感受性前立腺癌マウス皮下移植モデルJDCaPおよびその去勢抵抗性モデルであるJDCaP-CRの次世代シークエンス解析により同定された遺伝子融合遺伝子ELOVL5:LRRC1の発現を、前立腺癌細胞および臨床検体を用いて検討した。ヒト前立腺癌皮下移植モデル(JDCaPおよびJDCaP-CR)およびヒト前立腺癌細胞株PC３およびLNCaPがELOVL5:LRRC1遺伝子融合を有する事をRT-PCR法で検討し、JDCaP、JDCaP-CRおよびLNCaPではELOVL5:LRRC1遺伝子融合の発現が確認されたが、PC3細胞では確認が出来なかった。さらにFISH法においても、LNCaPでELOVL5:LRRC1遺伝子融合を確認する事が出来た。さらにJDCaP、JDCaP-CRにおいても、ELOVL5:LRRC1遺伝子融合を確認した。臨床検体におけるELOVL5:LRRC1遺伝子融合の発現を解析するため、限局性前立腺癌の前立腺全摘組織10例、転移性前立腺癌の生検組織10例、去勢抵抗性前立腺癌の転移組織（ホルマリン固定パラフィン包埋組織）5例を対象としてFISH法解析および免疫組織染色の検討を行った。免疫染色法では現時点までにELOVL5およびLRRC1蛋白を検出する系を確立することができなかったが、FISH法において転移性前立腺癌の生検組織３例において、ELOVL5:LRRC1遺伝子融合を確認することができた。
ELOVL5:LRRC1の機能を解析するためにELOVL5:LRRC1遺伝子発現前立腺株の作成を行った。ELOVL5:LRRC1遺伝子発現レンチウイルスベクターを作成し、PC３に遺伝子導入を行っている。現時点でELOVL5:LRRC1遺伝子発現株を樹立することができず、今後の課題となった。