2023 Fiscal Year Annual Research Report
系統的に近縁関係の梅毒トレポネーマ株間を細分化する塩基置換候補の評価とその応用
Project/Area Number |
21K09388
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中山 周一 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (80280767)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 梅毒 / 感染ルート推定 / 系統 / ゲノム補完SNPs |
Outline of Annual Research Achievements |
課題の主たるものは、 PLos Negl. Trop. Dis. 15:12 e0010063. https://doi.org/10.1371/jounal.pntd.0010063. (文献1)で我々が報告提起した「特定1遺伝子、TP_0705内の3箇所の single nucleotide polymorphisms (以下、3 SNPs)の組み合わせとのゲノム解析によって決定される菌株系統が国内株については一意対応関係にあり、従って前者の結果により後者が予測可能である」という仮説が現在も以前成立しているかの検討を実地検体によって行うことであった。 2020年3月以降の、解析試行未実施264陽性検体でTP_0705内3 SNPsのデータ取集を試行し、127例で3箇所SNPsとも決定に成功した(成功率59.6 %)。3 SNPs特定127例での上記仮説による予想系統分布はSS14-East Asia系統111(87.4 %)、SS14-Omega系統5(3.9 %)、Nichols C&E 系統 6(4.7 %)、TEN 系統 5(3.9 %)であった。この予想系統が正しいかをゲノム解析で確認することが直近の課題となる。文献1の報告では国内株の、SS14-East Asia以外の3系統はMSM患者由来に限定されていたが、今回のデータでは女性患者由来の予想Nichols C&E系統 1例(2022年3月)、予想SS14-Omega系統 1例(2022年10月)がそれぞれ検出された。系統確定にはこれらのゲノム解析を待たねばならないが、国内で2022年頃からMSM限定系統がそれ以外の性指向者へ伝播し始めた可能性が提起された
|