2021 Fiscal Year Research-status Report
間質性膀胱炎の病態と制御性T細胞による免疫応答の関連性に関する研究
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21K09395
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 昇平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90744029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 宜久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30378145)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 制御性T細胞 / 尿中細菌叢 / 尿中メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は間質性膀胱炎の発症、増悪の調整因子として免疫応答を調整する機能を持つ制御性T細胞が関与していると考え、また、尿中の細菌叢や代謝物質が、これらの膀胱内における免疫応答に影響を及ぼしていると考えられ、以下の検討を行った。 膀胱局所における制御性T細胞(Treg)の発現率や活性と疾患重症度との関連性の検討を行った。具体的には、正常患者(コントロール)群、間質性膀胱炎症例(ハンナ型)群(IC群)、膀胱痛症候群症例(非ハンナ型)群(BPS群)の3群間で、それぞれの膀胱組織におけるTregの発現を調べるため、細胞表面抗原マーカをフローサイトメトリーを用いて測定し、Foxp3陽性T細胞の割合を比較した。研究計画では、コントロール群10例、IC群20例、BPS群20例の予定であったが、現在までコントール群3例(男性1例、女性2例)、IC群4例(女性4例)、BPS群4例(男性1例、女性3例)の組み入れを終了した。まだ検討症例数が少数であるため、統計学的な検討は行っていないが、IC群において、コントロール群、BPS群と比較して、膀胱組織におけるFoxp3陽性T細胞の割合が高い傾向にあった。 また、間質性膀胱炎におけるバイオマーカの検索研究として、上記3群間における尿検体を用いて、液体クロマトグラフィー質量分析計による代謝物質の網羅的解析を行った。解析症例数は、まだ少数であるため、これまでのところ、IC群、BPS群でみられる特異的なメタボロームの同定は行えていないが、今後解析症例数を増やして、多変量解析、部分的最小二乗回帰からIC症例でみられる特異的な代謝物質の同定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、良性疾患の治療が延期され、症例の組み入れが遅延しており、そのため、研究進捗が計画よりも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
正常患者(コントロール)群、間質性膀胱炎症例(ハンナ型)群(IC群)、膀胱痛症候群症例(非ハンナ型)群(BPS群)の3群間において、これまで進めてきた膀胱組織でみられる免疫応答の評価を行い、特にTregの発現と、尿中細菌叢、メタボロームとの関係性を明らかにしていく予定である。またIC群、BPS群で特異的にみられる尿中細菌叢、メタボロームの解析を行い、バイオマーカとしての可能性を探索する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、当初の計画よりサンプル検体の採取が遅れており、解析などの測定は、まとめて行う予定であるため、予定通り実施できず、物品費、人件費などで差額が生じた。また学会等での情報収集もコロナ禍のために参加できず、旅費においても差額が生じた。2022年度は、昨年度予定していた研究計画も含めて、実施する予定であり、計画通り行う予定である。
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