2021 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌におけるステージ特異的胚性抗原の病的意義の解明と治療効果予測モデルの構築
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21K09403
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 朋博 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60622024)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SSEAs / 膀胱癌 / シスプラチン / ゲムシタビン |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な膀胱がんの細胞株であるT24細胞、および、5737細胞におけるSSEA-4の発現制御を先行的にウエスタンブロッティングにより解析した。また、他のSSEA-3とSSEA-5についても、それらを特異的に認識する抗体を入手し、その発現変化を確認するための予備実験を終了している。さらに、これらの2つのがん細胞株に加えて、比較的malignant potentialの低いRT4細胞においても、同様の解析を行うことにした。現在、その細胞株を購入し継代している。 また、膀胱がん患者のがん組織を採取、保存を開始しており、その一部で過去に前立腺癌組織で行った研究と同様の条件で免疫染色を行いSSEA-4に関する至適染色条件は確立できた。一方、SSE-3およびSSEA-5についても、予備実験を開始しているが、染色のバックグラウンドが高く、さらに信頼度に高い方法を模索している。 SSEAs以外のがん幹細胞のマーカーであるCD44、CD133、SOX2については、CD44の発現については各種膀胱癌の細胞株および膀胱癌患者の組織での発現を観察するための実験手技は確立でき、その再現性も確認できている。また。CD133およびSOX2については細胞株での発現は確認できているが、ヒト組織における発現については、現在、免疫染色の条件調整中である。 シスプラチンおよびゲムシタビンを細胞株へ投与する実験に関しては、研究計画にあった容量で概ね良好な測定や解析が出来ることを確認しているが、さらに複数の濃度を設定した実験を開始しており、現状では過去の様々な報告と同様の結果が得られており、実験系としては確立できるめどが立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に行った研究の結果から、計画していた膀胱癌細胞株に加えてRT4細胞での解析を追加したため、in vitro研究の最終結果が得られていない。しかし、これは、当初の計画は終えた上での追加であり、全体的には概ね順調と言える。 また、膀胱癌患者の組織におけるSSEAsの発現を評価する実験系に後れを生じているが、その完成の目途は立っており、研究全体から言えば、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、2021年度に予定していた研究を早急に終わらせる予定である。別記したように、その目途は立っており、2022年5月には最終結果が得られる予定である。 また、今後、動物実験を開始する予定であり、2021年度に得られた研究成果を基に、最小限の動物数で有益な結果が得られるように、慎重かつ臨機応変に研究計画を考慮しながら、実験を遂行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の拡大により、出席を予定していた学会がweb開催となり旅費が発生しなかった。また、流通の停滞により、予定していた試薬が入手出来なかった。 使用計画としては、学会の現地開催が再開されてきており、海外を含む学会への参加や海外の研究協力施設(クィーンズ大学;カナダ)での情報交換のための旅費に充てる。さらに、試薬の追加購入を行う。
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