2022 Fiscal Year Research-status Report
尿道下裂動物モデルを用いた尿道狭窄抑制デバイスの効果およびその作用機序の解明解析
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21K09429
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
東武 昇平 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50647021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 満 佐賀大学, 医学部, 教授 (00325648)
青木 茂久 佐賀大学, 医学部, 教授 (10448441)
竹澤 俊明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (50301297)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 尿道狭窄モデル / コラーゲンゲルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
22年度は、 in vivoの実験系にて尿道下裂動物モデルを用いて高密度コラーゲン新素材(ビトリゲル)の尿道組織の治癒過程への有効性について検討を行った。ラットの尿道をメスにて切開(7mm)を加えた後、尿道内に各種デバイスを留置し、縫合糸を用いて尿道壁に固定した。コントロール群として切開のみ実施し尿道内にはデバイス留置を行わなかった。尿道内の留置デバイスとして①ビトリゲル、②バイクリル糸(5-0, 7-0)を使用し、各実験群を作製した。デバイス形状の違いによる操作性、固定方法の違いによる留置性を評価した。デバイス治療後、1週目に当該動物の安楽死を実施した後に、尿道組織を摘出し、組織学的状態、留置デバイスの変化、線維化の有無等、その詳細についてH E標本にて病理学的に評価した。尿道周囲の治癒過程における上皮化や炎症改善の効果は、コントロール群と比較し、ビトリゲル留置群において、間質の炎症細胞浸潤の程度が、他の実験群と比較し軽微であった。瘢痕形成は、ビトリゲルの方が少ない傾向を示した。 2023年度は前年度までの知見を踏まえて、上皮皮化促進・瘢痕形成抑制・炎症反応の機序を解明するため、当該組織内における蛋白質およびm R N Aレベルでの発現プロファイル解析を行う。TGF-β, PDGF, MMP, TIMPに関連する蛋白発現をWestern blotにて解析し、さらに遺伝子網羅的解析を行う。この知見を基に、時間経過に伴う組織再生のプロファイルを確認すると共に、性能向上が期待できる分子を絞り込む。治療ターゲットとなる分子をRealtimePCR, Western blottingで検証し、付与する薬物(生理活性物質)を決定する。治療用デバイスとして創傷治癒促進作用の有無につき詳細に検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に沿って、順調に実験が遂行できている。臨床応用可能になるような最終型デバイスの開発に向けて、理工学部と共同研究を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
ビトリゲルデバイスの安定的提供のための作成に時間を要している。 当大学の理工学部に協力を仰ぎ、安価で安定的に供給できる作成方法を模索している。
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Causes of Carryover |
実験計画進行上、余剰の助成金が生じた。 来年度、ビトリゲルの作成への用途に使用予定である。
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