2021 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム中miRNAを起点とした治療抵抗性膀胱癌に対する新規治療戦略の探索
Project/Area Number |
21K09430
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山田 保俊 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (40437968)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / エクソソーム / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「癌抑制型マイクロRNA」の抗腫瘍効果をin vivoにおいて証明し、マイクロRNAを用いた新規核酸治療法の確立を加速させる事である。具体的には、多機能ドラッグデリバリーシステムとして注目されている高分子ナノミセルに癌抑制型マイクロRNAを搭載し、それの腫瘍細胞内へ導入効率や抗腫瘍効果を検討することである。また、最近、細胞外小胞の一つとしてエクソソームが注目されているが、本年度はエクソソームを用いてマイクロRNAを用いた新規核酸治療法の確立のアプローチを試みた。エクソソーム中miRNAを起点とした膀胱癌研究の新たな展開により、耐性克服薬の開発や診断・予後予測マーカーの開発に繋がるデータを得ることが期待され、予後予測マーカーを提示できれば、患者の選別化にも繋がり膀胱癌の治療費抑制にも貢献できると考える。 本年度の実績として、エクソソーム内に癌抑制型マイクロRNAとして知られているmiR-1が尿路上皮癌患者血清由来エクソソーム中のおいて、健常者由来のコントロールと比べて有意に発現が低下していることを確認した。更に、miR-1の標的遺伝子の発現を同様に調べたところ、候補遺伝子において有意差をもって患者由来のエクソソーム群において発現が亢進していることを確認した。現在、それぞれのエクソソーム由来核酸を用いてRNAseq解析を行っており、今後はその解析結果を元に、新たなマーカー探索を行う予定である。一方、治療耐性膀胱癌細胞株由来エクソソーム中を用いた、治療抵抗性獲得の評価に関しては、現在、再現性の確認をしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マーカー探索に関しては順調に進んでいるが、治療耐性膀胱癌細胞株由来エクソソーム中を用いた、治療抵抗性獲得の評価に関しては一定した結果が得られず、再現性の確認を繰り返ししている為である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、尿路上皮癌患者と健常者血清由来のエクソソーム中核酸を用いてRNAseq解析を行っており、今後はその解析結果を元に、新たなマーカー探索を行う予定である。また、今年度はin vivo下で、シスプラチン耐性膀胱癌細胞株由来のエクソソームと親細胞株由来のエクソソームを用いて、皮下注射した親細胞のサイズの違いについて評価する予定である。
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Research Products
(1 results)