2022 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム中miRNAを起点とした治療抵抗性膀胱癌に対する新規治療戦略の探索
Project/Area Number |
21K09430
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山田 保俊 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (40437968)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 膀胱癌 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「癌抑制型マイクロRNA」の抗腫瘍効果をin vivoにおいて証明し、マイクロRNAを用いた新規核酸治療法の確立を加速させる事である。具体的には、多機能ドラッグデリバリーシステムとして注目されている高分子ナノミセルに癌抑制型マイクロRNAを搭載し、それの腫瘍細胞内へ導入効率や抗腫瘍効果を検討することである。また、最近、細胞外小胞の一つとしてエクソソームが注目されているが、本年度はエクソソームを用いてマイクロRNAを用いた新規核酸治療法の確立のアプローチを試みた。エクソソーム中miRNAを起点とした膀胱癌研究の新たな展開により、耐性克服薬の開発や診断・予後予測マーカーの開発に繋がるデータを得ることが期待され、予後予測マーカーを提示できれば、患者の選別化にも繋がり膀胱癌の治療費抑制にも貢献できると考える。 2022年に腎癌においてエクソソーム中miR-1が癌細胞株に対して腫瘍抑制的な機能を有することを報告したが、膀胱癌においてもエクソソーム中miR-1により癌細胞株に対して腫瘍抑制的な機能を有することを確認した。現在、エクソソーム中miR-1を添加した細胞から抽出したRNAを用いてRNAseq解析を行っている。また、in vivo実験において、皮下に作成した膀胱癌腫瘍片に腫瘍周囲に投与したエクソソーム中miR-1が取り込まれることを確認し、尾静脈投与による効果を検証中である。一方、腫瘍マーカー探索に関しては、LincRNAの一つであるBC200がエクスソーム内において膀胱癌で発現が亢進していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記記載の通り、エクソソーム由来の核酸を用いた機能解析において尿路上皮癌に対して抗腫瘍効果を確認できた。そして、エクソソーム内のLincRNAの一つであるBC200が腫瘍マーカーの候補の一つとなる結果を見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスを用いた実験でエクソソーム由来核酸の抗腫瘍効果の可能性探索を行う。また、血液中エクソソーム由来RNAによる次世代シークエンス解析結果を現在、解析中である。このスクリーニング結果を基に、既に保有している 100以上の尿路上皮癌患者由来の血液検体を用いて、BC200も含めて候補核酸の中から最終候補を5つ程度に絞り込む予定である。
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Research Products
(2 results)