2021 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌発症関連SNPを有するZMIZ1遺伝子による前立腺癌発症機序の解明
Project/Area Number |
21K09434
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高田 亮 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (00438467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼平 貢 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50453303)
小原 航 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90337155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 一塩基多型 / ZMIZ1遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌は他の癌と比べ、一塩基多型(SNP)がその発症と強く関与しているがその機能はほとんど解明されていない。本研究では、私どもが以前発見した前立腺癌発症関連SNPであるrs7791774とrs4554825が、ZMIZ1およびZMIZ1-AS1遺伝子の近傍に局在することに着目。2つのSNPがZMIZ1とZMIZ-AS1遺伝子発現の関連するか検討を行った。 当該年度においては、まずはTCGAのデータベースより、各SNPの多型と前立腺組織におけるZMIZ1、ZMIZ1-AS1遺伝子発現の関連をin silicoで検討した。その結果、特にrs7791774の多型がZMIZ-1ならびにZMIZ-AS1の発現と有意に関連する事を同定した。一方でrs4554825の多型と2つの遺伝子との発現に関連は認められなかった。次に、さらにこれを日本人の前立腺組織で検証すべく、当院で採取された前立腺凍結組織100検体よりDNAとmRNAを同時に抽出。同一検体より2つのSNPの多型情報と2つの遺伝子の発現情報を確認した。次いでこれらのデータより、Quantitative trait locus解析を行う事で、日本人の前立腺においてもrs7791774の多型ととZMIZ1、ZMIZ1-1ASの発現が統計学的に関連する事を証明した。一方でrs4554825の多型については、やはり遺伝子発現との関連は認めなかった。これによって、rs7791774のSNP多型は、ZMIZ1ならびにZMIZ1-AS1遺伝子の発現量を調節することで、前立腺癌の発症に関連する可能性が高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来は、QTL解析をおこなった上で、ZMIZ1、ZMIZ1-AS1遺伝子の機能解析に取りかかる予定であったが、COVID-19感染症による、他の業務のエフォートの増加によって、研究の遂行に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度予定していた遺伝子の機能解析を進める。さらに、ZMIZ1とZMIZ1-AS1の発現が前立腺癌細胞増殖へ与える影響の検討を開始する。
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Causes of Carryover |
研究の遂行に遅れが生じたため、物品の購入ができなかった。また発注したものの、COVID-19感染症の蔓延によって、物流に著しい遅れが生じ、当該年度内に購入ができなかった。
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Research Products
(8 results)