2021 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア代謝を指標とした、新規ヒト精子品質評価技術の確立と品質維持への試み
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21K09438
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
谷口 久哲 関西医科大学, 医学部, 講師 (90460815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精子 / ミトコンドリア / 細胞外フラックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒト精子のミトコンドリアにおける酸素代謝を指標とした、新たな精子品質評価技術を確立する事。さらに、品質別にみた精子ミトコンドリアの形態的特徴を検討し、精子の品質管理を目的とした添加物の有用性を検証する事である。 まずは細胞外フラックス解析技術をヒト精子に応用し、ヒト精子ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化および解糖系活性の測定系の確立を試みた。 これまでのマウスを用いた報告と、我々がこれまでに行ってきた技術を応用し、ヒト精子における精子ミトコンドリアの細胞外フラックス測定系の構築に成功した。特に、解析プレートのコーティング基剤、および解析培地組成の最適化についての知見を得ることで、細胞外フラックス解析技術をヒト精子に応用する事が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、これまでのマウスを用いた報告と、我々がこれまでに行ってきた技術を応用し、ヒト精子における精子ミトコンドリアの細胞外フラックス測定系の構築を主目的とした研究を行った。当初の目的であったヒト精子を用いた細胞外フラックス測定系の構築に成功する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の研究は、実臨床における不妊治療の過程に即して、精液採取からの時間および保管温度が、ヒト精子のエネルギー代謝機構ならびに精子運動率・生存率におよぼす影響を検討する。さらには透過型電子顕微鏡を用いて、精子の品質別にみたミトコンドリアの形態学的変化の解明し、抗酸化剤やミトコンドリアのエネルギー産生に関わる物質が精子運動能/形態の維持に与える効果を検討していく。
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Causes of Carryover |
現在の使用額は98%以上であり、研究内容はおおむね計画通りにすすんでいる。
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