2022 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア代謝を指標とした、新規ヒト精子品質評価技術の確立と品質維持への試み
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21K09438
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
谷口 久哲 関西医科大学, 医学部, 講師 (90460815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精子 / 膿精子症 / 細胞外フラックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒト精子のミトコンドリアにおける酸素代謝を指標とした、新たな精子品質評価技術を確立する事。さらに、品質別にみた精子ミトコンドリアの形態的特徴を検討し、精子の品質管理を目的とした添加物の有用性を検証する事である。これまでの研究で解析プレートのコーティング基剤、および解析培地組成の最適化についての知見を得ることでヒト精子における、精子ミトコンドリアの細胞外フラックス測定系の構築に成功し、論文化した。(Taniguchi et al. BMC Research Notes 2022)実臨床における精子品質評価において、次に課題となったのが、精子を含む精液全体の環境であった。そこで、精液中にある一定量の白血球を含む「膿精液症」とそれ以外の精液中のマイクロバイオームについて新たな検討を行い、その詳細を明らかにしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度において、当初の目的であったヒト精子を用いた細胞外フラックス測定系の構築に成功する事が出来た。新たな精子を取り巻く環境の検討を行う事が可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
精子を取り巻く精液の環境とマイクロバイオームについて新たな検討を行う。精液を「膿精子症」そうでない群に分け、マイクロバイオームを検討する事により、膿精液症の実態と、精子品質評価の違いについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画はおおむね予定通りに遂行している。マイクロバイオーム検討における準備段階計画において時間を有した為に次年度使用が生じたが、本年度は解析用ソフトやマイクロバイオームに対する検討において使用する予定としている。本年度は精液環境とヒト精子品質評価について幅を広げた検討を予定しており、滞りなく研究を進める予定である。
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