2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the promotive mechanism of peripheral blood mononuclear cells in human embryo implantation
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21K09446
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀江 昭史 京都大学, 医学研究科, 講師 (30535836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
奥宮 明日香 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70893791)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PBMC療法 / 難治性着床障害 / 子宮内膜 / 着床不全マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマウス胚着床障害モデルを用いて、hCG添加培養がPBMCの着床促進効果に及ぼす影響を検証する。PBMC投与後マウスの子宮内膜の免疫細胞プロファイルの変化、子宮内膜のホルモン受容体の発現を検討する。以上の計画によりhCGにより変化を受けたPBMCにおける効果責任因子と受け手である子宮内膜細胞の変化を確認することで、胚着床における免疫細胞の寄与メカニズムを明らかにする。 まず、本研究におけるモデルマウスとして、Mifepristone着床不全マウスモデルを作成した。 具体的には、poc0.5に腟栓確認、同時に別の雌マウスからPBMCを分離・培養(hCG添加有りなし)開始する。続いて、poc1.5にPBMC群(PBMCのみ投与群;PBMC群とhCG添加PBMC投与群;hCG+PBMC群)には子宮内にPBMCを投与。hCG群にはhCGのみを子宮内に投与する。Poc3.5にMifepristone群とhCG群、PBMC群、hCG+PBMC群それぞれにMifeprstone0.08mgを皮下注し、poc7.5に妊娠の有無、着床数をカウントする。結果としてpoc4.5の時点でMifepristone群では子宮内腔が拡張しているが、control群と同様にPBMC投与群ではすでに子宮内膜の形態が正常化し、胚が着床していた。さらにpoc7.5では、Mifepristone群ではほとんど妊娠が認められなかったが、hCG群、PBMC群、hCG+PBMC群それぞれ妊娠率が改善し、hCG+PBMC群がもっとも妊娠数が多く、着床部も流産せず正常な形態を示すことが多かった(いずれも有意差あり)。 以上の結果から、本マウスモデルは実験継続に適合していると考えられ、2022年度以降の計画遂行において極めて順調に経過している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、モデルマウスの作成に成功した。ヒトとマウスは着床メカニズムが異なるが、このPBMCの作用機序を確認する上では、ヒトの着床メカニズムを模倣していると考えられるため、今後の予定した計画を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、PBMC投与により着床率が改善したことから、各々の群の子宮内膜についてRNAシークエンス(RNAseq)を行う。バイオインフォマティックスによりいくつかの効果責任因子の推定及びpathway解析を行う。そのうえで、PBMC及びPBMCが分泌する分泌タンパク・サイトカインを網羅的に調べるが、本実験は非常に雑多な細胞群について検討を行う必要があり、子宮内膜の結果をもとに改めて検討を行う予定である。またヒトPBMCにおいても同様に検討する。上記のいくつかの効果責任因子の候補についてqPCR、western blotによりvalidationを行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に予定していた解析外注を今年度に行なうため、次年度予算を前倒し支払い請求している。
繰越分は次年度予算として消耗品購入に充てる予定である。
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