2021 Fiscal Year Research-status Report
HPV維持複製におけるE4の機能解析:癌化メカニズムの解明と臨床応用を目指して
Project/Area Number |
21K09454
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 功 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70445237)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ヒトパピローマウイルス / E4 / 維持複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者がケンブリッジ大学で修得した培養方法で野生型もしくはE4 欠損型HPV11、HPV16、HPV18 を角化細胞の中で最も生体内での生活環を模倣しているnormal immortal ker atinocytes (NIKS) に導入した。以前の研究で野生型ではHPV11、HPV16、HPV18が恒常的にHPVが発現しているNIKSの作製に成功していたが、E4 欠損型においてもHPV11、HPV16、HPV18が遺伝子導入されたNIKSの作成に成功した。しかし継代と共にHPVゲノムが減少するため、常に継代初期の細胞がその後の実験に必要となることが明らかになった。 各HPVを導入したNIKSを用いて定量PCR にて1 細胞あたりの各々のHPV ゲノムコピー数を定量した。具体的には、NIKSは細胞密度 が高くなるに伴い分化が誘導されることが知られている。そのためHPVを導入したNIKSをday1からday7まで培養し細胞を回収、AllPrep DNA/RNA /Protein Mini Kit(Qiagen)を用いてDNA、RNA、タンパク質を抽出する。定量PCR の結果、E4 deficient HPVではHPV11、HPV16、HPV18ともにday5まではゲノムコピー数が維持された。day7(NIKSの分化後)ではHPV11は減少したのに対し、HPV16、HPV18は増加した。これは野生型と同様な傾向であった。これらの結果よりE4はHPVの維持複製に関与していないことが分かった。またMCM(細胞周期マーカー)やK10(分化マーカー)、p53の免疫染色の結果も野生型と同様な傾向であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の2021年度の研究計画通りに実験が遂行されているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度はHPV11、HPV16、HPV18を導入したNIKSを用いてraft cultureの作成を試みると共に、2023年度以降に計画している臨床検体の収集と患者情報の整理を行う。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響もあり、予定していたInternational Papillomavirus Conference and Clinical Workshopへ参加できなかったため。また新規試薬を購入せず実験を行うことができたため。 次年度はHPV11、HPV16、HPV18を導入したNIKSを用いてraft cultureの作成を試みる予定である。使用予定の試薬の新規購入を多数予定している。
|