2021 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた総肺静脈還流異常症の超音波画像診断支援技術の開発
Project/Area Number |
21K09456
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小松 玲奈 (香川玲奈) 昭和大学, 医学部, 助教 (30368633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正明 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 副チームリーダー (70750842)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胎児心臓 / 出生前超音波診断 / 人工知能 / 肺静脈還流異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
検査ガイドラインの普及や超音波機器の進歩により、先天性心疾患の出生前診断率の向上が期待されているが実際には頭打ちの状態と言える。これまでに、胎児心臓について、人工知能を用い自動的にリアルタイムに検知する「超音波画像診断支援技術の研究開発」を進めてきた。胎児心臓超音波診断に必要な18部位にアノテーション(意味付け)を行い機械学習させることで、胎児心臓の正常構造を自動検知することができた。また、 胎児超音波スクリーニング検査結果の把握・説明を簡便化するため、動画情報を二次元データに変換し、各部位の確信度の累積・時間経過を可視化して一覧表示する技術(barcode-like timeline)やグラフチャートなどを開発してきた。 総肺静脈還流異常症は出生後早期に治療が必要な先天性心疾患であり、出生前診断が非常に有用であるがいまだその検出率は低い。そこで本研究では、物体検知技術に加えて、ピクセル単位で対象を詳細に検出てできるセグメンテーション手法を組み合わせて正常肺静脈の機械学習を行なっている。これまでに、正常胎児超音波画像 (26,907画像)の中から、肺静脈が左房に還流している断面(120断面)を抽出し、セグメンテーションを行い学習させたところ、正常症例においては肺静脈が左房に還流している像をしっかりと認識することができたが、総肺静脈還流異常症例においてはその像が認識されなかった。 この結果をもとに、症例数を増やしてさらなる検討を行ってゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総肺静脈還流異常症例の集積が少なく今後症例の追加検討が必要だが, 正常症例の解析は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は異常症例を増やし, さらなる学習と解析を行う予定である. ヒトが判定できる医療画像はAIも判定可能と考えられる. そのためには習熟度の高い医師が検査をする際に着目しているポイントや課題を抽出し, それらを元に説明可能なAIを構築してゆく必要があると考える. 診断率の向上や検査精度のばらつきを埋め, より良い出生前診断を行うことを目的として研究を遂行してゆきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
2021年度は2020年度より継続使用していたパソコンを使用して機械学習を継続したため、物品費に余剰が生じました。2022年度に物品購入費として使用させていただきます。 コロナ禍のため現地での学会発表の機会が得られなかったため旅費が予定より減額となりました。
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Research Products
(6 results)