2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of a new thawing method of ovarian tissue vitrification
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21K09458
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉下 陽堂 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (20587745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 直 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90246356)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣組織凍結 / 卵巣融解方法 / Vitrification |
Outline of Annual Research Achievements |
CAYA世代がんサバイバーの妊孕性温存療法として卵巣組織凍結の実施例が増加している。卵巣組織凍結法として緩慢凍結法の他、卵巣組織凍結時における様々な凍結方法のプロトコールが提唱されているが、一長一短であり最適な凍結方法は未だ確立していない。本研究では卵巣組織ガラス化凍結法における新規的凍結方法を確立することを目指している。2022年度の研究成果としては、以下となる。 1)加圧による組織内水分脱水への影響の確認と至適加圧値の決定 2022年としては加圧システムを作成し、確立した。凍結保護剤を使用する前に、培養実験として加圧した群と加圧していない群での組織障害レベルの比較を行った結果、1atm及び1.5atmでは有意差をデーター内に見出すことができていない。今後加圧状況を上げる必要があるが加圧バルブの耐久性を整え、その後実験を再開とする。 2)Solid surface vitrification法を応用した凍結速度の効率化の立証。 昨年デバイス表面の凍結、融解速度について測定系を確立したが、2022年には測定を開始したところ、耐久性が伴わずデバイスにハンダ固定にて接着した熱電対が数回の液体窒素内の急激な変化による温度測定で剥離した。現在自身でのハンダ固定ではなく、企業に委託し熱電対がレーザーにて蒸着できるか検討中である。また理論的には温度が速ければ速いほど組織障害変化は起こらないと考え、現在のデバイスに加え、より高速の熱伝導が可能と考えられるデバイスが完成した。2023年はデバイスの温度測定用熱電対の準備が整うまでの間、組織障害の有無などを優先的にデータ解析を集積している。 3)高周波を用いた卵巣融解方法の開発。 上記記載したレーザー蒸着の測定デバイスが出来次第、融解速度の計測を開始とする。また高周波を当てることで発熱しない方法を現在合わせて実施検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた実験に関する物品がコロナの影響にて手に入らなかった。手に入るまで他検討事案を先に検討していることが続いていた。現状はコロナにおける影響は徐々に回復しているが2022年は今以上に大きく影響を受けていたため、実験が進んでいない。 1)加圧による組織内水分脱水への影響の確認と至適加圧値の決定。加圧するシステムは完成したが、より強い加圧下にて実験を検討している。当初制御するコンピューターがあるのだが、そのICチップが手に入らないことから購入が滞り、コンピューター管理は諦め、マニュアルシステムを導入した。現状1.5atmまで加圧可能であったが、今後2atm及び2.5atm及びそれ以上の加圧を検討し、加圧バルブを変更する必要性があるが、専門知識が必要なため専門業者に相談中である。 2)Solid surface vitrification法を応用した凍結速度の効率化の立証。熱電対と言う温度測定機器をデバイスにハンダ固定することは可能であったが1-2回の液体窒素内での温度測定変化にて、そのデバイスのハンダ固定が外れてしまう。マイナス196度より38度の急激な温度変化ではハンダ固定は耐久性に乏しいことが確認できた。今後は熱電対の位置がぶれるようなことや、固定が甘くなると測定に支障を来すために、現在レーザーにおける熱電対蒸着を検討しており、企業に相談中である。3)高周波を用いた卵巣融解方法の開発。温度測定デバイスが2022年は機能しなかったため実験が遅くなっている。2023年は測定機器の目処が立つ。高周波における温度測定がコンピューター管理ができなくなった手前、高周波装置の管理が難しい状況である。現在高周波融解システムの変更案を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年はコロナ禍やロシアの戦争により物品の供給が滞っている物品が改善してきていると思われ、その影響改善に伴い実験をより進めることができると考えている。本年度の推進方策としては、以下に記載する。1)加圧による組織内水分脱水への影響の確認と至適加圧値の決定。上記に述べた加圧システムだが今後加圧状況を2.5atmや3atmに上昇させる必要があると考えている。しかし加圧バルブの耐久性を整え、監理システムがコンピューターではICチップの問題より解決できないため、マニュアルでの管理方法を整える。加圧下での卵巣組織凍結方法のデータ解析を確認する予定である。 2)Solid surface vitrification法を応用した凍結速度の効率化の立証。現在レーザーにおける熱電対の蒸着ができるか企業に相談中である。凍結融解障害がより起こさないと思われる高速熱電道デバイス開発に成功したため、温度測定を旧デバイスと新デバイス共に熱伝導速度を測定し、より高速な急冷が可能となることが組織にとって改善することを確認する。またSolid surface vitrificationにおけるデータ集積予定である。 3)高周波を用いた卵巣融解方法の開発。 温度測定デバイスが完成次第、融解速度測定を開始すると共に、高周波を用いた測定計を確立を目指す。
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Causes of Carryover |
購入予定の物品などがコロナ禍及びロシアの戦争にて手に入らず、予定の日程にて購入ができなかったために、資金を持ち越すこととなった。また流通が戻ってきており、当初検討していた実験を進める方針であり、予定予算は消耗品にて使い切る予定である。
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