2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮内炎症の早期診断マーカーの探索および早期治療法の開発
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21K09462
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
築地 謙治 東北大学, 大学病院, 特任講師 (40528155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮内炎症 / 早産 / モデルマウス / microRNA / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は本学の動物実験施設の改修工事等の影響で開始が遅れたものの、当初の研究計画通り、子宮内炎症モデルマウスの作成を行った。使用したマウスはC57BL/6Nマウスを用いた。炎症誘発剤としてリポポリサッカライド(LPS)を用い、細菌性膣症を起点に上行性に進行する絨毛膜羊膜炎を想定し、投与は膣内投与で行った。投与量は既報のものを参考に、妊娠14.5日目に300または500μgの投与を行ったが、300μgでは早産は誘発されず、500μg投与において25%で早産が確認された。この際、溶媒の量は50μLで行ったが、膣内への十分な暴露を考慮し、溶媒を50または100μLにて比較検討を行った。結果、500μg/50μLでは29パーセントであった早産率が、500μg/100μLでは47%に上昇した。また、投与のタイミングについて、同じ500μg/100μLを用いて妊娠15.5日目に投与を行ったが、早産率は25%と14.5日目に比べ低値となり、本研究で用いる子宮内炎症モデルマウスは、妊娠14.5日目に500μg/100μLの膣内投与を行うものとした。早産率が100%ではないが、逆に早産に関連せず、LPSを投与する事のみによる反応を確認できることで、結果、早産により特異的なマーカーの特定に至ると考え、LPS投与非早産群として解析の比較検討群にも用いることとした。また、コントロール群、LPS投与早産群、LPS投与非早産群おいて胎盤等の組織学的検討を行ったところ、コントロール群では見られなかった胎盤および子宮への好中球の浸潤が、LPS投与早産群およびLPS非早産群で確認されたが、その程度はLPS投与早産群で優位に高かった。現在、母獣の血中サイトカインについて解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は本学の動物実験施設の改修工事等の影響でスタートが遅れたものの、当初の研究計画通り、子宮内炎症モデルマウスの作成を行えた。一部母獣血中サイトカインの解析等が遅れているが、総じて概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目である2022年度は、2021年度に作成したモデルマウスを用いてmicroRNAの網羅的解析を行う予定である。本解析には多大な費用を要するため、2021年度に節約した分を繰り越して充てることとする。概ね順調に進展しているため、母獣の血中サイトカインおよびmicroRNAの網羅的解析による子宮内炎症早期診断マーカーの抽出を予定通り進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度はmicroRNAのアレイ解析を計画しており、多くの費用が掛かると考えらる。次年度の配分額は110万円であるが、それのみでは大半をこのアレイ解析に消費され、同年度の消耗品等に回す余裕が危惧される。よって、2021年度はそれを見越して未使用額を繰り越すこととさせていただいた。
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Research Products
(2 results)