2022 Fiscal Year Research-status Report
PGT-AおよびniPGT-Aのヒト胚診断における意義:長期胚培養系を用いた検討
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21K09463
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 亘 秋田大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10726441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤嶋 明子 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (00866460)
寺田 幸弘 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10260431)
高橋 和政 秋田大学, 医学部附属病院, 技術系スタッフ (60791910)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PGT-A / niPGT-A / ヒト栄養膜細胞 / ヒト胚葉上上層(epiblast) |
Outline of Annual Research Achievements |
申請から採択の間も継続していた研究において胚盤胞培養上清中に存在するcfDNAと長期培養胚の染色体状態を比較検討し、cfDNAと長期培養胚の染色体状態を検討した (PLoS ONE)。その際、既報と比較して、胚盤胞の長期培養における生存性は高くなく、12日培養でその数は半減し、また細胞の劣化も著しかった。研究対象としては10日培養までが限界であったが、この検討により当初の予定より多くの胚盤胞を使用したため、研究遂行に必要な十分な数の胚盤胞をサンプルとして確保するのが困難な状況が継続した。非侵襲的な培養液中のバイオマーカーについてはcfDNAが長期培養後の胚の染色体状態をよく反映していることを示しているものの、その評価は未だ一定しておらず、cfDNAと実際の細胞の染色体状態に関していくつかの知見をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒト胚盤胞の長期培養における生存率は、既報と照らし合わせて本施設では低く、研究遂行のために必要な数の研究用胚盤胞の確保が昨年度は困難な状態であり、また新たな研究用胚盤胞の確保についても、COVID-19によるART診療件数の減少により、通常年度より困難な状況が本年度も継続した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究用胚盤胞の確保に努める。研究用に使用できる胚盤胞数が、長期培養における生存率を考慮しても検討に耐える状況となれば、長期培養実験を開始するが、同時に既報より低い胚盤胞の生存率を改善すべく、培養環境に関しても、培養液に対する添加物等再度見直しを行う。
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Causes of Carryover |
研究用ヒト胚盤胞の確保についても凍結およびその維持が必要であり、凍結用キットおよび凍結維持に液体窒素を要する。検討に必要な検体数に達し次第、凍結胚盤胞を融解し、コラーゲンコーティング培養皿上でIVC培養液を用いて長期培養を行う。培養した細胞塊と培養上清を回収し、それぞれをVeriSeqで解析・比較する。さらに現段階では長期培養の限界が10日ほどであるので、さらなる向上を目指し、アクチビンAの他に培養添加物に関しても検討する可能性がある。
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