2021 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌における深層学習を利用したラジオミックス・ラジオゲノミックス解析について
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21K09466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 雄一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70634955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曾根 献文 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90598872)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 深層学習 / ラジオミクス / ラジオジェノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
症例数の多い卵巣癌の研究を前に症例数が少なく腫瘍のアノテーションも比較的容易な子宮肉腫において検討を行い、画像判定用の深層学習モデルを作成する予備実験を行った。 3施設共同で、術後病理学的な確定診断を得た子宮肉腫61例(子宮平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、未分化子宮内膜肉腫、悪性度不明な子宮平滑筋腫瘍(STUMP)を含む)子宮筋腫200例の術前MRI画像を用いた。T1強調画像・T2強調画像(脂肪抑制条件、造影条件も含む)、拡散強調画像を使用し、深層学習による解析を行った。学習:評価=5:1とした交差検証による深層学習を行い、良性・悪性の鑑別精度を行った。腫瘍部位画像のみの学習および全画像学習、画像種別の組み合わせ学習等、学習・評価方法を検討した。画像種別の平均正答率はT2強調軸位断画像、T2強調矢状断画像、拡散強調画像で最も良好な診断成績で、腫瘍部位画像のみの学習および全画像学習において0.83-0.85であった。画像種別の組み合わせによる評価では、「T2強調軸位断画像+ T2強調矢状断画像+拡散強調画像」の組み合わせの診断成績が最も良好で、正答率0.9023(感度0.897、特異度0.9076)であった。【考察】画像の組み合わせにより診断成績の向上を認めたが、画像種類数に比例した診断成績の向上は認めなかった。T2強調軸位断画像、T2強調矢状断画像、拡散強調画像等上位の成績を示した画像シリーズは相対的に画像数が多く、今後診断精度の向上を図るにあたり、症例数、画像数の増加が必要と考えられたが、卵巣癌診断のAIモデルのために予備実験としては一定の成果を得たと考える。またこの間に卵巣癌の対象症例の画像、臨床情報等を抽出し整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮肉腫判定の深層学習モデルを構築した事により、卵巣癌における研究がスムーズに行くと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)Radiomicsに基づいた卵巣腫瘍における良性、悪性の判定モデル まず深層学習を用いた卵巣腫瘍における良性、悪性の判定システム開発を目指す。このため、診断に苦慮した症例をより多く含めることでコホートの独自性を目指す。東京大学の悪性腫瘍グループと関連病院で2010年から2020年に手術を行った良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍、それぞれ500例のMRI画像を対象とする。画像の深層学習についてはPredicthy社と共同で解析を行う。また放射線科黒川特任助教に画像のアノテーション(タグ付け)及び、診断医との正診率比較を協力依頼する。 (2)卵巣癌におけるRadiomicsを用いた臨床データ予測次に卵巣悪性腫瘍の画像特徴量から組織型(漿液性癌、粘液性癌、明細胞癌、類内膜癌等)判別、予後(無再発生存期間、全生存期間)予測、抗癌剤(プラチナ製剤、タキサン製剤等)、分子標的薬(血管新生阻害剤、PARP阻害剤な)の感受性予測する事を目指す。
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Causes of Carryover |
まず症例数の少ない子宮肉腫におけるAI診断モデルを作成したので、研究費が予想より 低く抑えられた。
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Research Products
(5 results)