2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of carcinogenesis in dedifferentiated endometrial carcinoma by using organoid and whole genome sequencing.
Project/Area Number |
21K09472
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中山 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (70346401)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 脱分化癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜脱分化癌(DDEC)は2006年にSilvaらによって初めて報告され、2014年のWHO国際分類から新たに採用された比較的新しい癌である。病理組織学的にはGrade1-2の高分化類内膜癌と未分化癌が境界明瞭に混在するのが特徴である。発生頻度は報告により差はあるが、子宮体癌全体の2-9%を占めるとされている。高分化類内膜癌部分が表層に、未分化癌部分が深部に存在するため、生検時に診断を誤りやすい。また、未分化癌部分がGrade3類内膜癌と誤診されている場合もあり、実際の頻度は報告より多い可能性がある。そのため、後方診的に当科関連病院の症例でDDECの自然発生頻度、予後、臨床病理学的因子の特徴を検討した。240例子宮体癌のなかで、DDECとG1-G3の類内膜癌やがん肉腫症例と臨床病理学的因子(患者年齢、手術進行期、筋層浸潤、脈管侵襲、リンパ節転移、抗がん剤感受性等)について比較検討した。その結果、DDECは他のいかなる分化度、組織型に比べて予後不良であることが判明した。さらに免疫染色(p53, ARID1A, PTEN, ER, PR等)を行ったが、DDECの病理学的特徴を明確にすることは困難であった。DDEC3症例を用いて、全エクソンシークエンス(WES)解析を行った結果、高分化部分に比べて脱分化部分では遺伝子変異量が大幅に増大しておりTMBの亢進が顕著であった。すなわち、DDEC部分には免疫チェックポイント阻害剤が著効する可能性が高い。脱分化するためのドライバー遺伝子は明らかにすることは困難であった。子宮内膜脱分化癌のオルガノイド培養の確立は非常に困難を極めた。しかし、正常子宮内膜や子宮内膜癌G1やG2のオルガノイド樹立には成功した。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] in vitro発癌モデルを駆使した卵巣癌発生機構の再検証2023
Author(s)
中山 健太郎, 石橋 朋佳, 石川 雅子, 山下 瞳, 菅野 晃輔, 島田 愛里香, 中川 恭子, 原賀 光, スルタナ・ラジア, ソヘル・ハシブル・イスラム, 清野 透, 京 哲
Organizer
第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
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