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2022 Fiscal Year Research-status Report

難治性卵巣粘液性癌に対する新たな治療戦略の開発

Research Project

Project/Area Number 21K09486
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

島田 宗昭  東北大学, 未来型医療創成センター, 教授 (40362892)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 徳永 英樹  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30595559)
重田 昌吾  東北大学, 大学病院, 講師 (90842633)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords卵巣粘液性癌 / 難治性がん / オミックス解析 / メタボローム解析 / プロテオーム解析
Outline of Annual Research Achievements

細胞代謝の変化はがんの特徴であり、メタボローム解析は個人の現在の表現型を反映し、血漿メタボローム解析は、バイオマーカー同定に有用である。本研究では、進行卵巣がん患者80名の血漿中の尿毒症毒素(UTx)を含む624種類の代謝物を超高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計(UHPLC-MS/MS)を用いて解析した。東北メディカル・メガバンクに保管されている健常人を比較対照として突合解析を行うと、進行卵巣癌患者では77種類の代謝物が有意に増加し、114種類の代謝物が有意に減少していた。特に、リゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの濃度低下とトリグリセリドの濃度上昇が観察され、進行卵巣癌患者に特徴的な代謝プロファイルが示された。各代謝指標のパラメータを算出した結果、トリプトファンに対するキヌレニンの比率が高いほど、進行卵巣癌患者の予後不良であり、UTxの一つであるキヌレニンは、EOCの予後予測と関連する可能性がある。今回の結果から、血漿メタボローム解析は、進行卵巣癌の診断のみならず、UTxの変動による予後予測や化学療法への反応性の評価にも有用であることが示された。
現在、卵巣癌症例250例の血漿メタボローム解析を完了しており、前述の研究成果を検証しつつ、予後不良な組織亜型である粘液性癌や明細胞癌に着眼した統合解析を進めている。さらに、血漿プロテオーム解析、組織メタボローム解析も開始し、多層的オミックス解析を拡充している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

多層的オミックス解析との統合解析が可能となる基盤整備が概ね完了し、卵巣粘液性癌を含む、婦人科悪性腫瘍症例の血液検体、組織検体の集積も順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

当該研究対象である卵巣粘液性癌をはじめとする婦人科がんの診療情報基盤の拡充に努めており、多層的オミックス解析との統合解析が可能となる基盤整備が概ね完了した。卵巣粘液性癌をはじめ、卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がんなど婦人科悪性腫瘍症例の血液検体、組織検体の集積も順調に進み、今年度中に1000例に到達する。血漿メタボローム解析に関しては、Biocrates MxP(R) Quant 500 kit (Biocrates Life Science AG, Innsbruck, Austria)を用いて628代謝物の質量分析を行っており、東北メディカル・メガバンクに保管されている健常人データとの突合解析を進める体制が整った。現在、健常人を比較対照とし、子宮内膜癌142例、子宮頸がん49例との統合解析を進め、診断、治療効果予測、予後予測などの因子を探索している。加えて、血漿プロテオーム解析のシステム構築も進めており、多層的オミックス解析を促進する体制が整いつつある。

Causes of Carryover

コロナ感染による診療調整の影響もあり、難治性希少癌である本研究対象の検体収集率がやや鈍化したため、未使用額が生じた。この間、血漿メタボローム解析に加え、血漿プロテオーム解析のシステム構築を進め、多層的オミックス解析を拡充する基盤を整えており、令和5年度の請求額と合わせて令和5年度に使用する予定である。

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Published: 2023-12-25  

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