2022 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the molecular mechanism of fertility improvement by improving the nutritional environment as preconception care
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21K09498
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
太田 邦明 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 博士研究員 (90424142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊文 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20302292)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プレコンセプションケア / 葉酸 / ホモシステイン / 卵巣機能 / 不妊症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度進捗状況で報告していた2029人のプレコンセプション期女性の血中ビタミンD濃度とTh1/Th2比の実態調査であるが、その後の追加研究などにより、卵巣機能の追加結果も追加することができた。結果の概要として、対象女性(94%)のほとんどで、ビタミンD値が十分でない(<30ng/mL)ことが示され、そのうちの57%がビタミンD欠乏症(<20 ng/mL)であった。さらに卵巣機能ならびにTh1/Th2比と血中ビタミンD濃度との関連性は認められなかった。ビタミンDは現在、骨代謝ホルモン以外にも多くの機能を有しており、近年では生殖機能との関連性も奉公されているが、我々の研究成果ではビタミンDと生殖能の関連性は認めなかった、一方で、本研究は日本人若年女性のビタミンD濃度を測定した研究としてはもっとも大規模であり、そこから若い女性の栄養不足が判明し、今後ビタミンDなどのプレコンセプションケアの認知・実践が期待される結果となった。本研究は成果は、現在、論文投稿している。 また、本年度は葉酸研究も大幅に進めることができた。1030人の不妊症と診断を受けた女性を対象にした研究では、葉酸のモニタリングマーカーとしてホモシステインを用いて、全例に施行したところ、中央値8.7nmol/mLであり多くの女性で基準値内であり、葉酸サプリメント摂取率8%との不一致が生じた。また、その後の体外受精治療をした場合に、ホモシステインを四分位で解析したところ、高ホモシステイン血症が受精率と関連することが判明した。高ホモシステイン血症(8.0nmol/mL以上)に対して葉酸サプリメントを介入したところ血中ホモシステイン値の改善率を約25%認め、前後比較検討では有意差を認めた(p=0.003)。さらに、葉酸サプリメント介入において流産予防効果を認めることができた(p<0.05)。本研究も論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究成果から、研究内容を変更する必要ではあったが、プレコンセプション期女性の栄養状況の把握に至ることは成功し、またコンセプション(受胎)に必要なバイオマーカーとの解析もすることができ、論文投稿まで現実化することができた。 さらに、研究計画書に含まれているプレコンセプション期女性における葉酸関連代謝マーカーとの解析が進み、葉酸サプリメントによる介入試験も実施することができ、論文投稿も実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度なとなる本年度は前述の投稿中論文を最終的に受理まで進展させる予定である。 さらに研究計画書通りに葉酸に関連した研究を進捗させる予定である。 一方で、これまでの研究成果から、プレコンセプションケアは女性因子以外にも男性因子も重要であることが判明してきており、本年度は男性因子に関しても解析(介入試験も含めて)する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナにより、研究計画が大幅に変更された。
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Research Products
(12 results)