2021 Fiscal Year Research-status Report
精子マイクロRNAに着目した不妊症の発症メカニズムの解明
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21K09501
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
水野 由美 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20584014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 健 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80286103)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 不妊症 / 精子 / ペルオキシソーム / セルトリ細胞 / miRNA / 着床 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロRNA(miRNA)に着目し、精子へのmiRNA付加の分子メカニズムおよび、精子が卵子に運搬するmiRNAが受精・着床へ及ぼす影響について明らかにすることを目的とし、研究を進めた。本研究により、受精卵の染色体の異数性以外が原因と考えられる妊娠不成立の原因の一端を明らかにできると考える。本研究では、精子がどのようにmiRNAを受け取るのか、また、受け取るmiRNAの違いによって受精・着床にどのような影響が及ぶのかを明らかにし、精子へのmiRNAを介した情報伝達システムの解明を目指す。 本年度は、セルトリ細胞からエクソソームを抽出し、miRNA発現アレイ解析を行った。解析は、セルトリ細胞中のmiRNAとセルトリ細胞由来のエクソソーム中のmiRNAの発現量を比較して行った。その結果、確かにセルトリ細胞から分泌されるエクソソームはmiRNAを内包すること、また、内包されるエクソソーム特異的に発現量が上昇するmiRNAを同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度、研究代表者が人事異動により、実験に使用するマウスを異なるキャンパスの動物実験施設に移動したため、実験に使用するマウスの繁殖に時間がかかった。このため、若干であるが、予定より遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、精巣由来のセルトリ細胞からエクソソームが分泌され、さらにセルトリ細胞から分泌されたエクソソームが内包するmiRNAの種類を同定することができた。最近の研究で、精子成熟過程でmiRNAが精子に付加され、さらには卵子にまで運ばれることが明らかとなった。しかし、どの細胞からどのようにmiRNAが精子へ運搬されているのかは不明である。そこで、今後は、miRNAを内包するエクソソームが精子にくっつき運ばれることが可能なのか、また、そのmiRNAの機能について解析を進める。
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Causes of Carryover |
使用するマウスの施設移動により研究の予定が少し遅れているため。 来年度は、精子のエクソソーム運搬の可視化やmiRNAの機能解析などに必要なソフトウェアや試薬の購入を予定している。
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Research Products
(2 results)