2022 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症進展における神経ペプチドCGRPの役割解明
Project/Area Number |
21K09502
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
関口 和企 北里大学, 医学部, 助教 (90458810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義也 北里大学, 医学部, 准教授 (40203187)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 子宮内膜症 / 神経ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCGRPが受容体サブタイプである、受容体活性調節蛋白1(RAMP1, Receptor activity modifying protein 1)シグナルを介して子宮内膜症進展に関与する可能性を明らかにした。ドナーマウスから採取した子宮内膜移植片を卵巣摘出した宿主マウスの腹膜に移植することで異所性子宮内膜症モデルを作成した。その結果、WTドナーの子宮内膜片をWTレシピエントの腹膜に移植したマウス(WT→WT)と比較してRAMP1 KO→RAMP1 KOでは、移植片面積が縮小したことからRAMP1シグナルは子宮内膜症進展に関与することが考えられた。子宮内膜症進展に血管およびリンパ管新生増強作用が寄与しているため、RAMP1シグナル関与を調べると血管およびリンパ管密度は、WT→WTマウスで増加し、RAMP1 KO→RAMP1 KOマウスで減少した。また血管内皮マーカーやリンパ管内皮マーカー、さらに血管新生因子VEGF-Aやリンパ管新生因子VEGF-CとVEGF-D産生もRAMP1 KO→RAMP1 KOマウスで減少した。内膜病変内の血管新生やリンパ管新生にはマクロファージや線維芽細胞が関与することが知られている。マクロファージや線維芽細胞はRAMP1 KO→RAMP1 KOマウスで減少していた。さらにVEGF-A,VEGF-C,VEGF-Dはマクロファージや線維芽細胞から産生されている可能性があることが分かった。またマクロファージや線維芽細胞を遊走するケモカインの産生がRAMP1 KO→RAMP1 KOマウスで減少していた。以上の結果から、マウス異所性子宮内膜症モデルにおいて、CGRP/RAMP1シグナルはマクロファージや線維芽細胞に作用して血管およびリンパ管内皮新生因子を産生して血管やリンパ管新生を促進して子宮内膜症発育に関与することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が、当初に立案した実験計画に沿って、遂行してきたが、RAMP1欠損マウスの繁殖が不十分であり、細胞培養を用いた検討をすることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画に沿って、本研究を進めていく。マクロファージや線維芽細胞の関与をさらに詳しく解明する予定である。またCGRP阻害薬効果を調べる予定である。
|
Causes of Carryover |
細胞培養実験が動物繁殖の関係から十分できなかったことから次年度に繰り越した。さらに研究進展により、実験動物を多数使用する予定となり、このための動物飼育費用のために予算額を取り分ける必要が生じた。
|
Research Products
(2 results)