2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of genetic interactions underlying tumor development and metastasis using murine endometrial organoids
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21K09506
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
丸 喜明 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 研究員 (30742754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30359632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮体がん / 癌肉腫 / 三次元培養 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス由来正常子宮内膜オルガノイドへレンチウイルスを用いてcDNAおよびshRNAを導入し、遺伝子改変したオルガノイドを免疫不全マウス皮下に接種することで腫瘍原性および転移能を評価した。変異型KrasにCdkn2a発現抑制あるいはTrp53欠失を組み合わせることで高率に癌肉腫が誘導されることを見出した(Maru, et al, Oncogenesis, 2021)。しかし、ヒト子宮体がんで高頻度に認めるPtenの異常を介した腺癌の誘導は変異型Krasとの組み合わせでも困難であり、in vivoモデルでの結果と乖離があった。一方、長期培養後子宮内膜オルガノイドに変異型Krasを誘導後にPten発現抑制を行ったところ腺癌の誘導に初めて成功し、リンパ節や肺への転移を高率に認めた。皮下腫瘍由来オルガノイドでは導入した遺伝子異常以外にもp16発現消失、Kras野生型アレル欠失、Tgfbr2の2コピー欠失の新規獲得が確認された。そこで変異型Kras発現子宮内膜オルガノイドにおいてTgfbr2もしくはSmad4の発現抑制によりTGF-b経路を阻害したところ、いずれの場合でも腺癌が誘導された。さらに変異型Kras発現子宮内膜オルガノイドでTgfbr2を欠失させた上でCdkn2a発現を抑制したところ、癌肉腫は誘導されず転移性癌がほぼ全例で誘導されたが、Pten発現抑制の追加では転移誘導はごく一部に限られた。以上のように、子宮内膜オルガノイド に変異型Kras、Tgfbr2欠失、Cdkn2a発現抑制を再構成することで正常細胞から直接的に転移性癌を誘導することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス子宮内膜正常オルガノイドへ異なる遺伝子異常の組み合わせを再現することで腺癌や転移性癌の誘導に成功している。さらに多くの遺伝子異常の組み合わせを評価するために、Rosa26-Pik3caH1047R;Arid1aflox/floxマウスを導入し、現在実験に必要な遺伝子改変マウスの作出を行っている。したがって、今後は変異型Krasを伴わない発がん誘導も安定的に実施可能となることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きマウス子宮内膜正常オルガノイドを用いたハイブリッド型発がんモデルを用いて、ヒト子宮体がんで高頻度に認める遺伝子異常やシグナル経路の異常を再現し、発がんや転移能を評価する。具体的には変異型Pik3caについてはTrp53欠失、Arid1a欠失、Pten発現抑制などと組み合わせて腫瘍原性を評価する。また、Tgfbr2の片側アレル欠失を伴う子宮内膜オルガノイドに単独あるいは複数の遺伝子異常を組み合わせて腫瘍原性および転移能を評価し、Tgfbr2両アレル欠失の結果と比較する。
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Causes of Carryover |
本年度に納品が間に合わなかったため、次年度繰り越しとした。
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Research Products
(11 results)