2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮体がんにおける癌・精巣抗原CT45の役割解明とその制御
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21K09520
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 友美子 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (90594911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 婦人科癌 / 癌精巣抗原 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮体癌における癌・精巣抗原CT45の意義・役割を解明する目的に、本年度は以下の研究を遂行して結果を得た。 1)がん幹細胞特性との関連を明らかとするため、CT45遺伝子導入細胞株、およびshRNAを導入してCT45の発現を抑制した細胞株を作製して用い、三次元培養におけるスフェロイド形成試験を行った。CT45発現子宮体がん株化細胞が自己複性能等幹細胞特性において、対照群に比べて有意に高い性質を持つことを確認した。また子宮体癌の標準治療に用いられる化学療法剤(パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン)に対する感受性試験をしたところ、CT45発現子宮体癌株化細胞が対照群に比べて有意に高い耐性を持つことを確認した。 2)腫瘍マーカーとしての役割を検証するため、子宮体がんの患者検体を得られるよう、九州大学における臨床研究(観察)倫理審査を申請し、承認を得た。 3)CT45の免疫原性と免疫制御を調べるため、CT45特異的T細胞を検出するためのマルチマーを設計・作製した。つまり日本人に多いHLAアリルに結合の強いCT45ペプチドを検索し、複数設計した。CT45に特異的な細胞障害性T細胞の検出のためにpentamer抗体を、制御性T細胞の検出のためにtetramer抗体をそれぞれ作製した。 次年度は、子宮体がんの患者検体を用いて解析を推進する計画である。つまり、患者検体の検査体制をはかり、検体の取得、解析可能な資材の準備を進めている。これにより、CT45発現と子宮体がんの関連および臨床的意義の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難治性子宮体癌におけるCT45の役割・意義を確かめるための研究が計画的に進んでいる。 1) CT45の生物学的機能を明らかとするため、Ishikawa子宮体癌株化細胞にCT45遺伝子を導入し、さらにshRNAを導入してCT45の発現を抑制した細胞株を作製し、それぞれCT45発現を確認した。これを用いて化学療法剤(パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン)に対する感受性試験、および三次元培養によるスフェロイド形成により、癌幹細胞性についての試験を行った。 2) 子宮体癌の患者検体を得るため、九州大学における臨床研究(観察)倫理審査を申請し、承認された。 3) CT45特異的T細胞検出のため、tetramer, pentamerの作製を行なった。日本人に多いHLA-AおよびHLA-DRB1を選択し、それぞれに結合の強いCT45ペプチド部分を検索し、マルチマーを設計して作製した。
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Strategy for Future Research Activity |
九州大学における臨床研究(観察)の承認を得たため、子宮体癌の患者検体の解析を進める。 つまり、①子宮体癌患者から得られた検体組織における病理組織学的診断、②検体組織を単一細胞にして、CT45の発現および他の因子発現についての解析を行う。また患者血液からHLA判定をし、作製したtetramer, pentamerを用いて、CT45特異性について解析をする。併せて、PD-L1等免疫制御性を有する分子との関連を調べる。 これにより、CT45発現と子宮体がんの進行度との相関性を調べ、臨床的意義を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度は参加予定にしていた学会がweb開催となり、旅費の使用がなくなった。 次年度に、新たに生じた臨床研究のための検査費用およびそれに必要な試薬購入に使用したいと計画している。
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Research Products
(2 results)