2023 Fiscal Year Research-status Report
Pregnancy-related mesechymal stem cells/exosome and prenatal diseases
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21K09543
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三浦 生子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00404301)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 産婦人科学 / 胎児成熟 / mRNA / microRNA / 分子マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
R5年度は直接的に肺以外の臓器についても胎児成熟度を評価する分子マーカーの同定を目指して、胎児臓器の成熟をモニターできる可能性のある羊水中の胎児由来cell free mRNA/miRNAの同定を試みました。対象として、妊娠16週の羊水は、羊水検査で正常核型であった検体を集積しました。妊娠38週の羊水は、長崎大学病院産婦人科での選択的帝王切開時に、子宮切開後、卵膜を膨隆させて穿刺し、シリンジに羊水を吸引して集積しました。R5年度は、妊娠16週の羊水検体を6例、妊娠38週の羊水検体を9例集積しました。妊娠16週と38週の羊水からトータルRNAを抽出し、RNAシークエンスを行いました。その結果、妊娠16週から妊娠38週にかけて発現量が増加する21種類のmRNAを同定されました。同定した21種類のmRNAのうち、妊娠16週で羊水細胞における発現量が0TPM(transcripts per million)で、妊娠38週で増加しているmRNA5種類を胎児成熟の分子マーカーとして選択しました。5種類のmRNA(発現臓器)の内訳は、SFTPC(肺)、SMIM29(脳や皮膚)、NAA10(脂肪や虫垂)、IFITM3P6(副腎や甲状腺、唾液腺)、およびCALML5(皮膚、唾液腺、食道)であり、胎児臓器の機能成熟を反映するバイオマーカーの候補であると示唆されました。同定した5種類のmRNAについてそれぞれプライマーを設定し、RT-qPCRを行いました。現在のところ、肺に発現しているSFTPCについて、妊娠16週で発現していないのに対し、38週で有意に発現量が増加していました。現在、残り4種類のmRNAについても同様にRNAを抽出し解析を進めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度は5種類のmRNA(SFTPC、SMIM29、NAA10、IFITM3P6およびCALML5)の安定したRT-PCRによる定量系の設定に時間を要してしまい、研究計画に遅延が生じてしまいました。
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Strategy for Future Research Activity |
肺以外の臓器でも発現している4種類のmRNAについてRT-qPCRを用いて発現量の評価を行います。また、標的mRNAの発現を抑制するといわれるmiRNAとして、C14MCに着目し羊水中における発現量の推移を検討します。また、羊水と同時に採取している母体血を用いて低侵襲的に胎児臓器の成熟を評価しうる分子マーカーの同定を目指します。
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Causes of Carryover |
胎児成熟の候補となる分子マーカーの同定において、研究の大半を文献検索に時間を要してしまい、次年度使用額が生じました。次年度は、胎児成熟を評価しうる分子マーカーの候補として5種類のmRNAを選定しているので、妊娠16週と妊娠38週の羊水検体および母体の血液検体を用いて、胎児成熟を評価しうる分子マーカーなのか否か解析を進めて、本研究の目的を貫通する予定です。
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