2022 Fiscal Year Research-status Report
オートファジー活性の回復を基軸とした卵子アンチエイジングへの展開
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21K09549
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 可野 順天堂大学, 医学部, 助教 (00511073)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / 卵子老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦で急増する高齢不妊患者は、卵子の質の低下により難治性の不妊となる。しかし、老化による卵子の質の改善法は未だ確立されておらず、また老化の程度を非侵襲的に個別評価する方法も存在しない。近年老化とオートファジー、オートファジーと卵子の質の関連性が示された。細胞老化の原因の一つとして、オートファジー活性の低下が注目されており、オートファジー活性は老化により減弱し、細胞内老廃物が蓄積する。その結果、ミトコンドリア内の活性酸素(ROS)が増加し、老化が誘導される。そこで本研究では、老化による卵子のオートファジー活性レベルの低下により誘導される卵子の質の低下の分子機構を明らかにし、卵子に対して非侵襲的な方法で卵子の老化を評価する方法を開発する。さらにオートファジー制御剤を用いて、質が低下した老化卵子のオートファジー活性を回復させ、老化卵子の質の改善を試みる。以下の研究を計画した。①老化によるオートファジー活性低下と卵子の質の低下の分子機構の解明②非侵襲的な方法で卵子の老化を評価する方法の開発③オートファジー制御剤による老化卵子の質の改善法の開発 今年度は昨年度に続き①の老化によるオートファジーの活性低下と卵子の質の低下の分子機構の解明として、卵巣全体、卵子および卵巣構成細胞である顆粒膜細胞における量的RT-PCR法を用いたオートファジー関連遺伝子(Atg5, Beclin1, p62, LC3b)の発現変動について調べた。現在はオートファジー活性の低下と卵子の質についての相関性について引き続き調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に申請者の所属が変更になった。当研究計画には老化マウスの育成に半年以上時間がかかるが、動物施設の変更で施設の使用が2022年8月半ば以降からになっている。このためその時点から老化マウスを育成しなければならず、動物の準備に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究で予定していた、オートファジー制御剤を用いて質が低下した老化卵子のオートファジー活性を回復させ、老化卵子の質の改善を試みる計画を予定している。現在老化マウスの育成も進んでおり、この計画を十分に遂行できると考える。
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Causes of Carryover |
申請者の所属変更により、新しい施設における動物実験が大幅に遅れ、予定していた実験が遂行できなかったため。昨年度予算を次年度へ使用する予定である。
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