2022 Fiscal Year Research-status Report
転写因子HOXD9が子宮頸癌の悪性形質に関与する分子機構の解明と治療法の開発
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21K09550
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷本 慧子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30897377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30296652)
加藤 侑希 日本大学, 医学部, 助教 (60733649)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HOXD9 / HPV18型 |
Outline of Annual Research Achievements |
HOXD9が単独でHPV初期プロモーターに結合するかを確認するため、まずHPV16型のP97プロモーターについて検討した。HPV16型陽性のSiHa株およびSKG-2株にP97reporter plasmid であるpGL3-P97を導入し、ルシフェレースアッセイを行ったところ、Mockではルシフェレースが発現し、HOXD9のノックアウトにより発現が低下することを確認した。次にHOXD9を発現していない293T細胞にHOXD9を強制発現させ、pGL3-P97を導入したが、ルシフェレースの発現を認めなかった。一般にHOX遺伝子は単独でなく、他の因子と複合体を形成して転写因子として働くとされており、HOXD9も単独ではなく、同定されていない補助因子の存在のもと初期プロモーターを活性化する可能性が示唆された。次に、HOXD9の発現を抑制するか、初期プロモーターへの結合を抑制する薬剤をdrug repositioningの観点から検討した。薬剤スクリーニングの専門家とミーティングを複数回行ったが、薬剤を見つけることは極めて難しいとの結論となった。このため、次の方法としてsiRNAを用いた遺伝子治療を考案した。現在、siRNA薬剤を製造する企業と連携し、効率的にHOXD9を抑制するsiRNAの同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HOXD9が初期プロモーターを活性化するには、単独でなく、他の因子が必要であることを示した。HOXD9を標的とした治療薬の候補をsiRNAに絞り込み、研究の方向性を定めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
既存薬ライブラリーによってスクリーニングし、HOXD9を阻害剤の開発を行う。不成功だった場合、SiRNAなど遺伝子薬の開発を進める。
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