2021 Fiscal Year Research-status Report
難治性好酸球炎症における新しいプログラム細胞死を標的とした治療法の開発
Project/Area Number |
21K09563
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
太田 伸男 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (20282212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 裕子 羽陽学園短期大学, 幼児教育科, 教授 (40442016)
佐藤 輝幸 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (30400493)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 難治性好酸球炎症 / プログラム細胞死 / 好酸球性副鼻腔炎 / 好酸球性中耳炎 / 気管支喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい疾患概念である好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎は、鼻・副鼻腔あるいは中耳に好酸球が浸潤する難治性疾患である。局所への好酸球の浸潤、粘調性の極めて高い貯留液、気管支喘息の高率な合併、従来の治療法に抵抗性であることが特徴である。新規分子であるぺリオスチンが慢性副鼻腔炎などの上気道粘膜組織の線維化に重要な役割を果たしており、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患では、鼻腔洗浄液中のぺリオスチンの濃度が疾患の重症度と強く相関することを見出し、従来のレントゲン、内視鏡、CTなどに換わり得る簡易補助診断法として特許を取得した。本研究では、この新技術を生かして難治性好酸球性疾患の病態である炎症の重症化と遷延化におけるペリオスチン分子の関与について検討するとともにこの分子が全身合併症を予測するバイオマーカーとして活用できる可能性、さらにペリオスチンを標的とした治療法を開発することが目的である。近年炎症の遷延化の機序としてアポトーシスと異なる新しいプログラム細胞死であるEosinophilic Extracellular DNA trap cell death(EEtosis) が注目されている。好酸球性中耳炎のマネージメントの上で安全確実で低侵襲な診断方法の開発と疾患管理上有用なバイマーカーの確立が需要な目的である。そのために血液、鼻腔粘液あるいは耳漏中のEEtosisの程度とぺリオスチンの濃度の関連性について比較し、疾患活動性の指標および気管支喘息などの全身合併症や好酸球性中耳炎の聾を含めた高度難聴の発症を予測するバイオマーカーとなる可能性ついて検討を行った。その結果、好酸球性中耳炎の局所では慢性中耳炎とは異なりEEtosisが生じていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好酸球性中耳炎の局所では慢性中耳炎とは異なりEEtosisが優位に高く認められ、この現象が好酸球性副鼻腔炎の病態に関与している可能性があることが明らかになった。この研究成果を第123回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が特許取得したごく少量の検体でもぺリオスチンを検出可能な新たな技術を用いて、難治性好酸球性疾患患者の病変部位の検体中のEEtosisの程度やぺリオスチン濃度を測定しカットオフ値の設定を行い将来の臨床応用の道を拓きたい。
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Causes of Carryover |
購入予定の抗体がウクライナ情勢の影響で入荷時期がずれ込んだため次年度使用額が生じているが、近日入荷の予定である。
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Research Products
(3 results)