2021 Fiscal Year Research-status Report
聴神経腫瘍の聴力予後改善に向けた新規聴覚誘発電位測定法およびアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21K09565
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大石 直樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10348740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 誠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30645445)
和佐野 浩一郎 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部, 室長 (40528866)
高橋 英俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (90625485)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 聴神経腫瘍 / 蝸電図 / 術中聴覚モニタリング / データベース / 聴性脳幹反応 / 耳音響放射 / 電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)現行使用可能な電極を用いて、外来での蝸電図測定の症例を積み重ね、より精度の高い波形が得られる工夫を重ね、その成果を日本聴覚医学会学術講演会(2021年11月、東京)で発表した。そして、蝸電図を用いた聴神経腫瘍手術中の術中聴覚モニタリングを複数の症例で施行した。それらの症例において、聴性脳幹反応の特にⅠ波に着目して、Ⅰ波による内耳機能のモニタリングと、蝸電図によるモニタリングを併用することで、蝸牛反応の持続測定を試みた。その結果と、ABRのⅤ波およびDNAP反応による脳幹由来の反応を組み合わせることで、術中の聴覚反応を厳密に測定することを心がけた。その結果として、極めて高い術後の聴力温存率を達成できるようになり、現在術中の様々な聴覚反応と術後聴力予後との関連を詳細に検討している。 2)新規蝸電図電極の開発に向けて、必要な材料を集め、試作品の作成を試み、1年目は基礎的なデータの積み重ねを行った。 3)800例を超える当科通院中の聴神経腫瘍患者のデータベースを作成し、主に未治療の患者400例弱を対象に初診時の純音聴力検査、語音聴力検査、ABR,OAEのデータの詳細をデータベース化した。それらの聴覚データと、年齢や腫瘍径などとの相互関係を検討し、また聴力や腫瘍の予後との関連などにつき、現在解析を進めている。その成果は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術講演会(2022年5月、神戸)での発表を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蝸電図を用いた術中聴覚モニタリング症例の積み重ね、外来での蝸電図測定、多数の症例のデータベース化、新規電極の作成にむけた試作品の作成など、いずれもほぼ当初の予定通りに順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目に予定していたAIを用いた機械学習は、より簡便なパターン認識のプログラム作成の方が適している可能性があると現在は考えられ、いま解析中のデータに基づいて、2年目以降の方向性につき必要に応じて変更を行う予定である。その他の研究計画に関しては、当初の予定通りに遂行していく。
|
Causes of Carryover |
予算の95%以上を使用し、概ね予定通りに使用した。現在解析中の課題、作成中の試作品があり、現在遂行中の課題に対して次年度使用額を使用予定である。
|
Research Products
(2 results)