2023 Fiscal Year Annual Research Report
聴神経腫瘍の聴力予後改善に向けた新規聴覚誘発電位測定法およびアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21K09565
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大石 直樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10348740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 誠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30645445)
和佐野 浩一郎 東海大学, 医学部, 准教授 (40528866)
高橋 英俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90625485)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 聴神経腫瘍 / 術中聴覚モニタリング / 純音聴力閾値 / 聴性脳幹反応 / 蝸牛神経背側核活動電位 / 蝸電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴神経腫瘍の聴力予後改善に向けて以下の研究成果を上げた。 1)新規術中蝸牛神経モニタリング法として、蝸牛内留置電極(ANTS electronode)によるeDNAP(electronic dorsal cochlear nucleus action potential)測定を世界で初めて行い、聴神経腫瘍摘出と同時同側人工内耳埋め込みを行うための最も信頼性の高い術中持続聴覚モニタリング法を確立させ、英文誌(Journal of Otolaryngology, Head and Neck Surgery)に発表した。一側の高度難聴を呈した聴神経腫瘍症例における、新たな聴覚再獲得の治療法を確立させた。 2)術中のABR(auditory brainstem response)/DNAPによる聴覚モニタリングを行う際の刺激音の最適化に取り組み、術中聴覚モニタリングの精度を上げ、聴力温存聴神経腫瘍摘出術における世界最高レベルの聴力温存率を達成し、英文誌(Diagnostics)に発表した。ABRⅠ波を用いることで、術前聾からの術後聴力回復例に関しても英文誌(Journal of International Advanced Otology)に報告し、後迷路性難聴における聴力回復の可能性を示した。 3)保存的加療を行っている400例を超える多数の聴神経腫瘍症例の純音聴力の特徴を解析し、特に急性感音難聴発症時の谷型聴力が有意に聴神経腫瘍症例で多いことを明らかにし、英文誌(Auris Nasus Larynx)に発表した。 4)外来における蝸電図の検査手技を確立させ、その手技と臨床的有用性につき、日本聴覚医学会で発表した。一方、術中聴覚モニタリングとしての蝸電図は有用性に乏しいことを明らかにした。 5)機械工学を応用して蝸電図測定のための新たな外耳道留置電極の新規作成を試みたが、その臨床的応用に関しては解決すべき課題が多く残された。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 聴神経腫瘍による突発難聴と突発性難聴の純音聴力像 聴力型の比較解析2023
Author(s)
都築 伸佳, 大石 直樹, 和佐野 浩一郎, 辺土名 貢, 島貫 茉莉江, 西山 崇経, 平賀 良彦, 北間 翼, 新田 清一, 小川 郁, 小澤 宏之
Organizer
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会