2023 Fiscal Year Research-status Report
KCNQ4関連遺伝性難聴の病態における細胞死の寄与を示す動物モデルと治療薬剤開発
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21K09574
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
和佐野 浩一郎 東海大学, 医学部, 准教授 (40528866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
務台 英樹 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60415891)
小島 敬史 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部, 研究員 (60528660)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝性難聴 / バリアント / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
KCNQ4遺伝子は内耳において非常に重要な機能を担う外有毛細胞に発現する電位依存性カリウムチャネルKv7.4をコードし、常染色体優性遺伝性難聴の原因遺伝子として最も頻度の高い遺伝子である。KCNQ4バリアントによる日本人難聴患者の中で、約7割と大部分を占めるc.211delC, p.71fsは、これまでの解釈ではハプロ不全によるものであると理解されてきた。一方で動物実験においてKCNQ4ノックアウトマウスは優性遺伝形質を表すヘテロ接合体では難聴は発症せず、ホモ接合体において難聴の表現型が認められており、ハプロ不全という病態は否定的な結果であった。 我々はホールセルパッチクランプ法による電気生理学的な方法と、プレートリーダーによるハイスループットな細胞死関連アッセイ法を用いたin vitroにおける予備研究により、その病態には転写・翻訳された不完全なタンパクによる細胞ストレス・細胞死が関係していることが明らかにするとともに、それらの系を用いた薬剤スクリーニングによりその細胞死を減少もしくは遅らせることのできる薬剤を同定した。 本研究ではこれらの予備研究の結果を発展し、動物モデルとしてヒトKCNQ4 c.211delCに相当するマウスKCNQ4 c.214delCノックインマウス(一部ヒト化キメラ)を作成し、ヘテロ接合体における難聴進行や細胞死に関する詳細な検討を行うとともに、有望と考えられる薬剤の全身投与や内耳局所投与を行い、その難聴進行抑制効果を示したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス作成が遅延しているためやや遅れている。本年度はマウス作成を完了させ、薬剤の効果検証を行う
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Strategy for Future Research Activity |
マウス作成における問題点を解決しマウス作成を進める。
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Causes of Carryover |
マウス作成の遅延により次年度使用額が生じた
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Research Products
(4 results)