2021 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発
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21K09575
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
鈴木 秀典 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (70470169)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 糖代謝 / 感受性診断 / 個別化救済治療 / FDG-PET/CT / 治療法開発 / 新型コロナウィルス / パンデミック |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、研究課題である「頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発」に対して、愛知県がんセンター病院倫理審査委員会にて「頭頸部癌に対するFDG-PET/CTの予後予測に関する後ろ向き多施設共同研究」の許可を得た上で研究を遂行した。頭頸部癌の原発部位は喉頭や口腔など多岐にわたっており、個別化治療法開発を目的とした本研究は、部位や組織型の特徴を含めて実施した。2021年10月に「FDG-PET/CTから喉頭癌の原発腫瘍の糖代謝総量を算出したtotal lesion glycolysis というFDG集積値が生命予後を予測可能である。」という知見を国際英文誌であるMedicinenに公開した。また、2021年1月に「原発腫瘍のFDG集積値であるMetabolic tumor volumeが、生命予後と関連する。」という成果を英語論文のDiagnosticsで発表した。病理学的手法を用いた成果は、「頸部リンパ節から評価したlymph node densityが稀少癌である小唾液腺癌の生命予後を予測し得る。」を結論とし2021年11月にBMC Cancerに刊行された。令和3年度は新型コロナウィルスパンデミック下であり新規治療法の開発成果として「重複食道癌を有する頭頸部癌症例への新型コロナウィルスパンデミック下での鎖骨上動脈皮弁による再建術式の使用」を2021年11月の国際英文誌in vivoに症例報告した。さらに「新型コロナウィルスパンデミック下における新規放射線治療のホウ素中性子捕捉療法後再発例への口腔癌救済手術」を2022年3月のAnticancer Researchで英文公開した。本研究の目的、また研究手法や結果は、国際的なPeer reviewを受けた上記5つの英語論文の公開を通じて、筆頭著者での研究実績として認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は研究課題に対して、愛知県がんセンター病院倫理審査委員会の許可を得た上で研究を実行した。成果として主にオープンアクセスとして5本のpeer reviewを要する国際英文誌で公開された事は、本研究の目的や疾患対象、またFDG-PET/CTの撮影法や糖代謝測定、さらに生存解析や多変量解析などの統計学的手法などの研究手法が世界的な基準に沿っていると評価された。 令和3年度は、新型コロナウィルスパンデミック下であった。感染対策や入院適応、また治療適応法の変化など頭頸部癌の診断や治療法は、パンデミック下で大きく影響を受けた。「100年に1度のパンデミック」とも言われる医療や経済環境の変化の中で、治療法の新規適応をPeer reviewで評価される国際英文誌に2つ公開できた。新型コロナウィルスパンデミックに着目した本研究の新規性を評価されたと考えている。日本頭頸部外科学会などによる発表を通じて研究成果の公開もでき国内においても評価もいただいた。 国際英文誌に刊行された研究成果以外でも、本研究からの新たな知見を複数得ており、複数の英文論文を作成し国際英文誌に投稿している。 また、新たな疾患対象や術式に着目した研究も遂行中でありおおむね順調に進展しているものと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発を目的として令和3年度より継続し多臓器の頭頸部癌を対象として研究を実行していく。 遺伝子変異や遺伝子多型の分析を含めた複数の研究プロトコールを並行して実施し、研究結果の蓄積と統計解析、研究結果を学会発表と共に英文国際誌による公開を遂行していく。学会参加や国際英文誌投稿によるPeer reviewを通じて、より良い研究成果を上げるように国内外の研究者と広く詳細に討議していく。分析や統計解析、学会発表、また英文投稿や掲載料に研究費を使用する。 令和4年度も新型コロナウィルスパンデミック下であり、引き続き医療や経済などの環境変化に応じて研究を実施し推進していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスパンデミック下であり学会参加がWEB参加となり旅費減少などの環境変化があった。令和4年度に頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別救済治療開発の研究課題に対して遺伝変異解析などの検体分析が必要で使用していく。また、学会発表や英文校正、英文投稿や掲載料に科研費を次年度に繰り越して使用していく計画である。
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