2021 Fiscal Year Research-status Report
Roles of tissue degenerative tansscriptional reprogramming in the evolution of head and neck cancer
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21K09576
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
益田 宗幸 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 統括診療部長 (90284504)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / YAP1 / epigenetics / super enhancer / 転写中毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は“発がん性環境因子により引き起こされる頭頸部癌は、癌抑制遺伝子変異によるブレーキの失活状況を利用し、転写リプログラミングをエンジンとしてドライブする癌である”という仮説に立脚している。頭頸部癌のアクセル候補、YAP1の活性化により4週間で100%癌化をおこす遺伝子改変マウスモデルの作成に成功し(Sci Adv 2020;6(12):eaay3324)、マウス腫瘍・細胞、人頭頸部癌細胞・標本による統合的なepigenetics解析を、多施設共同研究(東京大学定量生命科学研究所・九州大学医科学分野・ブリティシュコロンビア大学)により強力に推進している。YAP1誘発マウス発がんは遺伝子変異によらないepigenetic carcinogenesisであり、enhancer hypomethylationが重要な役割を果たしていることを見出した。ヒト頭頸部癌細胞・標本の解析から、発癌フェーズにおいては、YAP1は頭頸部扁平上皮のmaster transcription factor である、FOXM1、ΔNp63をパートナー転写因子とすることが示された。進展フェーズではYAP1はsuper enhancer(SE)の形成に必須の因子であり、頭頸部発癌に関与する代表的なサイトカインであるIL6を標的としておりfeed-forward loopの存在が示唆されている。YAP1associated SEの解析から頭頸部癌のリンパ節転移に重要な役割を果たすことが報告されているpartial EMT遺伝子の発現をYAP1が制御しPITX2が重要なパートナー転写因子であることを見出した。さらにpartial EMTに深く関与する癌線維芽細胞(CAF)の誘導にもYAP1が関連していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
YAP1誘導性マウス腫瘍・細胞、人頭頸部癌細胞・標本による統合的なepigenetics解析を、多施設共同研究(東京大学定量生命科学研究所・九州大学医科学分野・ブリティシュコロンビア大学)により強力に推進している。具体的にはwhole exome seq, RNA-seq, whole genome bisulfite seq, region-restricted bisulfite seq (RRBS), Chip-seq (H3K27ac, H3K9me2/3, H3K4me1,H3K27me3, YAP1), IHC (YAP, p53, BRD4, PITX2, LRRC15), bioinformatics (SE解析、EEM解析、MOTIF解析、enhancer RNA解析、enhancer hypomethylation解析、Monocle解析、頭頸部癌TCGA dataとの照合など)。これらの解析から上の実績で述べたような知見が得られている。 現在人標本でのRNA-seq, Chip-seq, RRBSの統合解析をおこないさらに、TCGA dataのenhancer RNA、enhancer hypomethylationとの統合的な解析を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者である、ブリティシュコロンビア大学のJ Penninger教授・大森研究員の協力のもと以下の項目を解析する。 1.YAP1がSEを形成する際のphase separationの状態 2.ヒト頭頸部癌組織を利用した多重免疫染色とspatial transcriptome解析により、頭頸部癌微小環境におけるYAP1を介したmatrix remodeling, CAF誘導、免疫逃避の状況
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Causes of Carryover |
実験は順調に進んでいるが、2021年度に予定していた解析の一部を2022年度にまとめて行うことととしたため、予算を繰り越すこととなった。
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Research Products
(6 results)