2023 Fiscal Year Research-status Report
再発頭頸部癌患者の末梢血エクソソームを利用するリキッドバイオマーカーの確立
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21K09578
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福岡 修 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80779794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 利彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (80847012)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 抗PD-1抗体 / エクソソーム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では頭頸部癌患者における末梢血中exosome上のPD-L1をはじめとしたT細胞共分子シグナルを網羅的に定量することにより免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体の反応性を予測するバイオマーカーをliquid biopsyによって明らかにすることを目的としている。研究対象となる症例の臨床情報については病理組織的解析によるPD-L1発現を含めた情報は着実に積み重ねられている。一方で末梢血検体を採取し、そこからexosomeの回収および評価についてはまだ十分に進んでいない状況である。 それとは別に、切除不能再発頭頸部癌に対する薬物療法の有効性についての研究を行った。無治療群に対して姑息的治療介入群が有意に生存率改善することが示された。また多変量解析によって再発部位および使用する化学療法レジメンが有意に生存率に寄与することも確認された。上記研究結果に関する論文が英文雑誌に掲載された。 その他に、頭頸部癌手術検体における蛍光イメージングとgamma glutamyltransferase 1(GGT1)発現の一致性を検証し、免疫染色によって臨床像を明らかにする研究をすすめてきた。頭頸部癌由来培養細胞であるDetroit562においてqPCRによるGGT1発現が確認され、イメージングで蛍光活性が確認された。逆にGGT1発現が確認されなかった他の培養細胞ではイメージングでも蛍光活性が確認されなかった。これにより蛍光イメージングとGGT1発現が関連付けられた。手術検体の蛍光イメージングとGGT1免疫染色の対比では感度71%、特異度100%と高い相関性が確認された。免疫染色陽性例では粗生存率が有意差をもって陰性例を上回る結果となり(5年生存率69%対42%、p=0.0467)、GGT1免疫染色陽性例の生存率改善が示唆された。以上の結果について、現在英語論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象となる症例における末梢血検体採取およびその解析が十分に進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象となる末梢血検体の採取し、そこからexosome回収及び解析を進める。
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Causes of Carryover |
予定していた支出額に達しなかったため、次年度繰越することとした。引き続き採取検体の解析等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)