2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K09600
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
天野 彰子 山形大学, 医学部, 医員 (50787249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90261619)
伊藤 吏 山形大学, 医学部, 准教授 (50344809)
寺田 小百合 山形大学, 医学部, 医員 (40795697)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 聴神経 / Cochlear synaptopathy / 内耳 / 難聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内における新型コロナウイルスの流行のため、爆風障害によるCochlear synaptopathyモデルを有する共同研究チームの施設への訪問に制限が生じている。そのため、Kujawaらの原法に従って、当研究室にて音響障害によるCochlear synaptopathyモデルを作成し、本検討に用いることとした。 実験デザインは研究実施計画に則り、現在、障害前のABR・DPOAEによる聴力評価、音響障害、障害後7日と14日の聴力評価を行い、その後の組織解析にて実際にCochlear synaptopathyが起こっているかどうかを確認する作業を行っている最中である。 具体的には、現時点でABRとDPOAEにて一過性閾値上昇が確認されている。ABRのI波の振幅を安定させるためには検査の習熟が必要であり、現在取り組んでいる最中であるが、正常な個体で概ね問題ない値が得られている。また組織解析も行っており、免疫染色と共焦点顕微鏡による観察を行っている最中である。 このモデルで聴力の一過性閾値上昇、障害後のABRのI波振幅の永続的な低下、組織でのシナプス減少が確認されれば、Kujawaらが作成した音響障害によるCochlear synaptopathyモデルが再現されたと言える。その後は、当初の実験デザイン通り、まずq-PCR法によりRho-ROCK経路のmRNAレベルの変動を確認し、その後障害モデルにROCK阻害薬を投与し、治療効果とタンパク質レベルのRho-ROCK経路の変動を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた爆風障害モデルの使用が新型コロナウイルス流行を受けてできない状況にあり、音響障害によるCochlear synaptopathyモデルを当科で作成する方法に変更が生じた。しかしながら、現時点で音響障害モデルが正しく作成できているか確認する作業に入っており、研究全体の進捗状況としてはやや遅れている程度であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
音響障害によるCochlear synaptopathyモデルを作成し、これを用いて当初の予定である聴神経再生におけるRho-ROCK経路の分子生物学的検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初、共同研究施設での実験を予定していたが、国内での新型コロナウイルスの流行のため訪問することができず、次年度使用額が生じた。当初の予定から変更して音響障害モデルを作成するにあたり、必要な物品に変更が生じているため、本費用はその物品購入に充てる計画である。
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