2021 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム解析による頭頸部癌の転移能に関するバイオマーカーの探索と予後との関連
Project/Area Number |
21K09607
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
星川 広史 香川大学, 医学部, 教授 (70294767)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 泰 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10806920)
大内 陽平 香川大学, 医学部, 協力研究員 (50795573)
森 照茂 香川大学, 医学部, 助教 (80568840)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | エクソソーム / 転移 / バイオマーカー / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは細胞から分泌される50-150nmの小胞で、内部に核酸やタンパク質などを含み、放出した細胞の特徴を反映するとともに、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。頭頸部癌においてエクソソーム中のCXCR4, CXCL12の存在を同定し、それらが癌の転移にどのように関与しているかを検証することを第一の目的とする。。HSC3 cell lineから樹立されたHSC3-M3は高転移能を有することが報告されており、ふたつの細胞株用いてin vitro, in vivoの系でが癌細胞が分泌するエクソソーム内CXCR4, CXCL12の発現量を比較することで、転移能とCXCR4, CXCL12の間に相関があるかどうかを検証するため、まずは培養細胞上清中のエクソソームの分離を試みた。エクソソームを分離するためには、①水和性ポリマーを加えてエクソソームを沈殿させる方法、②メンブレンにエクソソームを吸着させ溶出させる方法、③抗体に磁気ビーズを結合させ、特定のたんぱく質が表面に存在するエクソソームを補足する方法など、様々な方法があるが、どの方法が最も適しているかを検討した。それぞれの方法を用いて抽出し、実際にエクソソームが回収できているかをナノサイト解析で確認した(外注)。その結果、どの方法においても十分な濃度のエクソソームが回収できていないことが明らかとなった。技術的な問題か、エクソソームの存在が元々乏しいためかを確認する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
様々な方法でエクソソームの回収を試みたが、現時点ではその後の研究を遂行するに必要なエクソソームの改修ができていいない。
|
Strategy for Future Research Activity |
①水和性ポリマーを加えてエクソソームを沈殿させる方法、②メンブレンにエクソソームを吸着させ溶出させる方法を再度試みたが回収の効率が悪いことが判明した。 ③抗体に磁気ビーズを結合させ、特定のたんぱく質が表面に存在するエクソソームを補足する方法で、濃度的には十分ではないがELISAを用いた方法でCD63陽性のエクソソームが回収できている可能性を示した。今後ナノサイト解析などを再度行い、回収の程度を確認し、その後の研究につなげる予定である。
|