2022 Fiscal Year Research-status Report
がん幹細胞マーカーCD271による下咽頭がん特異的制御機構
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21K09621
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
今井 隆之 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (80408583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 扁平上皮がん |
Outline of Annual Research Achievements |
扁平上皮がんは、そのゲノム変異の複雑さから治療標的となるdriver geneがほとんどみつかっておらず、難治である。下咽頭がんを含む頭頸部がんは、有望な治療標的の乏しい予後不良のがんである。また、いまだdriver geneの報告が少なく、悪性化機序が未解明なままである。また、解剖学的特性からQOLの維持も困難であり、画期的な治療法が望まれる 申請者らはこれまで、下咽頭がんのがん幹細胞マーカーを見出し、それを標的とすることで、in vivoでの腫瘍抑制効果が得られることを明らかにしてきた。 一方で、このマーカーは正常上皮基底細胞においても発現することから、陽性細胞を直接傷害する抗体治療では、正常の細胞の損傷を避けることは難しい。そこで本申請では、未だ解明されていない1.下咽頭がんを悪性化させる下流経路を明らかとし、2.経路・分子阻害による下咽頭がん抑制効果を検証し、3.正常細胞への影響を確認する。明らかとした経路・関連分子について、4.下咽頭がん患者予後の解析を行う。以上から、よりがん特異的な下咽頭がん治療標的・経路を見出すことを目指している。 本年度は昨年度の内容を引き続き進めた。細胞株を用いた下流経路の探索を進めた。ノックアウト細胞・ノックダウン細胞を樹立し、遺伝子発現の網羅的解析をおこなって下流分子を探索した。また、正常細胞株でも同様の検討を進めた。また、マウス発癌モデルの樹立を進めた。CreERによるノックアウトシステムを用いた系の検証を進めた。いずれの実験系も数ヶ月のスパンで実施する必要があり、現在も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の内容の従ってすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書の内容の従ってすすめる。
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Causes of Carryover |
経費のかかるマウス実験を翌年度にもちこしたため。
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