2022 Fiscal Year Research-status Report
PLOD2-インテグリン水酸化反応に基づく癌転移抑制デコイペプチドの開発
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21K09626
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
齋藤 憲 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70426584)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水酸化酵素 / インテグリン / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究として、私たちは、PLOD2水酸化酵素を阻害するbeat-1ペプチドを口腔・頭頸部癌細胞へデリバリーするため、mRNA-Display技術より口腔癌細胞特異的透過ペプチド(CPP)の単離を実施した。 現在までに、単離されたCPPは、口腔癌細のみならず他の細胞への吸収も認めることから、口腔癌細胞特異的に侵入するCPPの取得には至っていない。一方で、PLOD2発現は、口腔癌細胞株と比較して、骨肉腫細胞株で10以上の高発現を認め、また、beat-1ペプチドの作用が、口腔癌細胞株と同様に骨肉腫細胞株でも認めた。このことから、同時に骨肉腫細胞株へ特異的に侵入するCPPの単離を実施し、正常細胞株や他のがん細胞株へ侵入しない骨肉腫細胞株特異的CPPの単離に成功している。 現在、この骨肉腫細胞株特異的CPPとbeta-1ペプチドを融合したCPP-beta-1デコイペプチドを用いて、骨肉腫細胞のPLOD2を標的とした浸潤・転移阻害、抗腫瘍効果を詳細に評価している。このCPPは軟骨肉腫にも侵入することから、喉頭軟骨肉腫などに対する併用治療にも応用できると考えられる。さらに、CPPの細胞特異的透過性のメカニズムについても現在、検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔癌細胞特異的CPPの単離は遅れているものの、骨肉腫特異的CPPとbeta-1ペプチドによる研究から、骨肉腫治療へ応用できる可能性が判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、口腔癌細胞特異的CPPの単離が難しいと考えられるため、骨肉腫にフォーカスしたペプチドの応用を展開する。 計画として、骨肉腫特異的CPPとbeta-1ペプチドを融合したペプチドを用いた浸潤・転移阻害、抗腫瘍効果の検討と治療薬との併用効果の確認、骨肉腫特異的CPPの透過メカニズムの解析などを細胞株およびモデルマウスを用いて実施する。
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