2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the disease concept of laryngeal sarcopenia based on the estimation of the laryngeal muscular force using kinematics
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21K09630
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 真 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (80403179)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サルコペニア / 呼吸調節 / 胸腔内圧 / 腹腔内圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
喉頭サルコペニア、および呼吸サルコペニアの病態を特徴づけるために、健常人、および高齢者の参加者を対象として、発声・咳払い中の喉頭内視鏡検査、頸部表面加速度計、消化管マノメトリー、および発声機能検査装置による同時計測を行い、これらの測定値を健常人、および高齢者間で比較することを計画している。2022年7月に注文を行った発声機能検査装置が、2023年1月に納入され、2023年4月より当装置を用いた計測に着手し、健常人を対象として主に呼吸調節の生理的パターンを明らかにすることを目標とした。 本年得られた実績の概要を以下に列挙する。 (1)発声機能検査装置を用いることにより、声の大きさを徐々に大きくしていくクレシェンド発声課題を遂行中の音声の強さ、気流量の連続的変化が評価できることが確認された。 (2) 頸部表面加速度計、騒音計、および発声機能検査装置の3種類の装置の計測値の間の関連性について検討し、口の形、および頸部の姿勢が維持されている状態であれば、計測値間の線形性が維持されることが確認された。 (3) 健常人のクレシェンド発声中の栄理学的な呼吸調節の特徴を明らかにするために、健常人において、円滑、かつ15dB以上の音圧レベルの増加を示した成功サンプルと、急激な増加、あるいは15dB未満の増加を示した失敗サンプルの間で、胸部食道内圧、および胃内圧の変化を比較したところ、発声直前吸気のピーク時、起声時、発声中の音圧レベルピーク時のいずれの点においても、胸部食道内圧、および胃内圧の両方に有意差が認められた。また失敗例では、起声時の音圧レベルが、成功例に比較して大きかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
発声機能検査装置が受注生産であり、注文後から納入までに約6ヶ月を要したこと、新型コロナウイルス感染の拡大の波が繰り返し発生し、感染拡大の間は大声・咳払い発声時のデータ記録をすることが困難で、波の間でデータ記録を行ったことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、健常人に加え、高齢者を対象として、データを記録してゆく。また消化管マノメトリーと喉頭内視鏡の両方の検査を同時に施行することが理想ではあるが、両者を経鼻挿入することが困難であることが本年行った予備実験で明らかとなった。喉頭調節の評価を、喉頭内視鏡ではなく、電気声門図を用いて行う、あるいは、消化管マノメトリーと発声機能検査装置の組み合わせで呼吸サルコペニアのみをテーマとした研究を先行させることを検討している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行のため、大声発声・咳払い時のデータ記録が困難であったため、高齢者、健常人の研究参加の謝礼を計上できなかったことが理由である。次年度に謝礼として使用する、あるいは、電気声門図の機器の購入費用に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)